このコラムを読んでくださっている皆さんのうちの何パーセントの方が、海外渡航経験者でしょうか。そして留学やワーキングホリデーで海外渡航を経験してきた皆さんは、現地でどんな活動をして、どんな風に成長して帰ってこられたでしょうか。
こんなに成長した!と自信をもって渡航経験をアピールできる人も居れば、中には「1年も海外で生活してきたのに、全然成長できていないんじゃないか…?」と不安に思い、逆に自信を無くしてしまう人も居るのではないでしょうか。
「〇〇さん、留学してたんでしょう?凄いね」と言われるたびに、理想の”留学帰りの自分”とのギャップを感じて劣等感に苛まれてしまう、そんな心当たりはありませんか?
今回は、海外渡航をしたのに自分に自信が持てない、そんな皆さんに、少しでも胸を張ってもらえるようになるヒントをお届けしたいと思います。これから渡航する人も、帰国後に堂々と自分の経験を語ることができるように、是非最後まで読んでみてくださいね。
<目次>
・他人や高すぎる理想とではなく、渡航前の自分と比べてみよう
・経験の棚卸しをして成長を実感しよう
・アピールできるポイントを言語化しよう
他人や高すぎる理想とではなく、渡航前の自分と比べてみよう
素晴らしい経験をして大きく成長してきたにもかかわらず、何故か自分に自信を持てない人が居ます。
そんな人たちに共通しているのは、高すぎる理想を追い求めて、そこにたどり着けないことに自己嫌悪を感じていたり、常により良い成果を出している他人と自分を比較して、劣等感を覚えていることです。
もちろん、さらに成長していくため、何度も次のステップに挑戦していくために、理想を追い求めたり、自分の至らなかった部分に気づいて反省したりすることはとても大切なことです。努力を続ける上で、自分よりも上をいく誰かに憧れを持ったり、参考にすることも非常に有効ですね。
しかし、そのせいで自分の努力や成長を過小評価しすぎたり、自己嫌悪や自信喪失につながってしまうのでは逆効果です。理想の自分も、優秀な他人も、上を見始めたらキリがありません。足りない部分ばかりに目を向けるのではなく、確実に成長しているプラスの部分にも注目してあげましょう。
まずは、比較対象を変えることです。今日の自分は昨日の自分と比べて努力が出来たか?渡航前の自分と比べてどんな成長が出来たか?
そうすれば、少しずつでも前に進んでいる自分を実感でき、自信をもってさらに先に進んでいくことが出来るようになるでしょう。
経験の棚卸しをして成長を実感しよう
自分に自信が持てない大きな原因の一つは、海外渡航経験を通して得た自らの成長に、気が付けていないことです。まずは自分の経験を振り返り、それがどんな成長につながったのか、自覚できるようにしましょう。
皆さんが海外で過ごした期間はどれくらいでしょうか?たった1週間だったとしても、きっとその1週間は、困難なことも、驚きも、成長も沢山あり、日本でただ何となく過ごす1週間とは雲泥の差があったはずです。長く滞在していた方なら尚のこと、とても多くの特別な体験をしてきたことでしょう。
その一つ一つを、自分の中でしっかりと振り返ってみたことはあるでしょうか?
ホームステイ先でのファミリーとのやり取り、学校で取り組んだプロジェクト、人見知りを克服して英語で声をかけ仲良くなった友達、失敗して叱られ、悔しい思いをしたアルバイト先の想い出…。
印象に残ってる体験を、出来るだけ多く紙に書き出してみてください。そして、それらの経験が自分にどのような影響を与えたのかを考えてみてください。
全ての体験は、皆さんの内面的な成長や、スキルの向上、思考のグローバル化などに少なからず影響していたはずです。自覚しなければただの思い出として処理されてしまう小さな経験も、一つずつ丁寧に取り出して、分析することで、自分の体験を新たな視点で再発見し、客観的な成長を実感することができるでしょう。
じっくりと自分の内面に向き合ったり、紙に書き出したりする作業が苦手な人は、誰か親しい人の協力を得て、とことん渡航体験について細かく質問してもらい、対話の中で自分の成長を見つめなおすのも良いですね。会話を進めて行く中で、思いがけない自分についての再発見があるかもしれません。
もちろん、海外経験者である協会カウンセラーも、みなさんのお手伝いが可能です。
アピールできるポイントを言語化しよう
最後に重要になってくるのは、気付くことが出来た自分だけの貴重な経験や成長を、しっかりと分かりやすく人に伝えることが出来るかどうかという点です。
「語学資格検定の点数が〇〇点アップした!」「アルバイト先で1日に〇〇円売り上げた」「インターン先で〇〇件顧客を回り高評価を得た」など、数字で表される成長や実績は非常に分かりやすくインパクトがあり、面接をする上で強いアピールとなります。
しかし、これらのように数値化出来るものばかりが成長ではありません。
「視野が広がった」「異文化理解が深まった」「自分に自信を持てるようになった」「コミュニケーション能力がついた」「トラブル対応力がついた」などなど、海外渡航を経験することで得られるスキルの多くは感覚的、精神的、経験的なものになります。
そういう数字で表せない部分の成長は間違いなく大きいのに、しっかりと言語化できていない状態で面接に挑んだ場合、「視野が広がった」等の抽象的で感覚的な言葉だけが曖昧に伝わってしまい、面接官には強く響きません。面接官の、「へえ…あっそう」という雰囲気は、応募者の自信を大きく削ってしまいますね。
こういった自らの成長を印象的にアピールする為には、数字にできない分、具体的なエピソードが重要となります。
例えば、こんな面接回答ならどうでしょうか。
「カナダのレストランでアルバイトを経験し、宗教上の問題で豚肉が食べられない人や、自らのポリシーでベジタリアンとして食生活を送る人など、様々なお客様の対応をしてきました。その中で、自分の常識だけが世界の常識なのではなく、様々な考え方や認識があるのだということを実感を伴って理解することが出来、視野が大きく広がりました。それを活かして多様なお客様に伝わりやすいメニュー表の改定を提案するなど、店舗に貢献することが出来ました」
ぐっと具体的になって、魅力的な応募者として面接官の目にもとまりやすくなるでしょう。
このように自分の経験や成長・強みを効果的にアピールする為にも、経験の棚卸しと言語化にしっかりと取り組みましょう!
海外渡航を経験した皆さんは、誰でも必ず何かしらの成長があったはずです。それを自覚し、自信をもってアピールが出来るようお手伝い致しますので、自己分析や言語化に一人で取り組むのが難しい方は、当協会のキャリアカウンセラーに是非ご相談くださいね!
<前回のキャリアコラム>
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