
フランスでワーキングホリデーをするなら、最低賃金でいくら稼げて、社会保険料や税金でいくら引かれ、ビザや保険、家賃にいくらかかるのかを先に知っておきたいところです。
ほかの国と費用を比べたいときは、「ワーホリの費用を国別に比較」に、ビザの申請料・必要資金・保険・最低賃金を国ごとに並べています。
この記事の主な数字(早見表)
| 項目 | 金額・条件 | 時点・出典 |
|---|---|---|
| 最低賃金 SMIC(時給) | €12.31(参考 約2,200円)(brut=控除前)/€9.74(参考 約1,700円)(net=社会保険料などを引いたあと) | 2026年6月1日から・service-public.gouv.fr |
| SMIC(月額・週35時間) | €1,867.02(参考 約331,100円)(brut)/€1,477.93(参考 約262,100円)(net) | 同上 |
| ワーホリビザの申請料(日本国籍者) | 無料 | 在日フランス大使館(2025年12月更新) |
| ワーホリビザの所持金の要件(日本) | €3,100(参考 約549,800円) | フランス外務省(2026年10月16日更新) |
| 一般医の診察料(標準・Secteur 1) | €30(参考 約5,300円)(公的保険の払い戻しは€19(参考 約3,400円)) | service-public.gouv.fr |
| 敷金(保証金)の上限 | 家具なしは家賃1か月分・家具付きは2か月分 | service-public.gouv.fr |
| パリの民間賃貸の平均家賃(家具なし・管理費を除く) | 月€1,160(参考 約205,700円) | 2022年・INSEE |
フランスの最低賃金 SMIC と収入の目安(2026年6月から)
フランスの最低賃金は SMIC(Salaire Minimum Interprofessionnel de Croissance)と呼ばれ、全国で共通です。2026年6月1日の改定後の現行値は、時給€12.31(参考 約2,200円)(brut)、手取り(net)で€9.74(参考 約1,700円)です(出典:行政情報サイト service-public.gouv.fr、2026年10月21日に確認)。brut は税や社会保険料を引く前の額、net は社会保険料などの本人負担分を引いたあとの額です。
週35時間のフルタイム(月151.67時間)で働いた場合、月額は brut €1,867.02(参考 約331,100円)、net €1,477.93(参考 約262,100円)、年額は brut €22,404.20(参考 約3,973,200円)、net €17,735.19(参考 約3,145,200円)です。最低賃金の手取りは、額面の約79%にあたります。2026年は、1月1日に時給€12.02(参考 約2,100円)(月額€1,823.03(参考 約323,300円))へ改定されたあと、6月1日にさらに2.41%引き上げられました。
18歳未満には軽減率が適用され、17歳は時給€11.08(参考 約2,000円)、16歳以下は時給€9.85(参考 約1,700円)です。残業(週35時間を超える時間)の割増は、その週の36時間目から43時間目まで(最初の8時間)が25%、44時間目以降が50%です。割増は brut の賃金にかかります。割増賃金に代えて代替休暇(repos compensateur)を取る方法もあり、50%割増の残業1時間は、1時間30分の休暇にあたります。
手取りはいくら?社会保険料と所得税の仕組み
フランスでは、給与から社会保険料(cotisations sociales)などが引かれます。民間企業の従業員(salarié du secteur privé)の本人負担の主なものは、次のとおりです(出典:service-public.gouv.fr の2026年1月1日更新の記載。月額上限は€4,005(参考 約710,200円))。
| 項目 | 本人負担の率 | 対象 |
|---|---|---|
| 老齢保険(上限内) | 6.90% | 月€4,005(参考 約710,200円)までの賃金 |
| 老齢保険(上限なし) | 0.40% | 賃金の全額 |
| 補足年金 Agirc-Arrco(第1段階) | 3.15% | 月€4,005(参考 約710,200円)までの賃金 |
| 補足年金 Agirc-Arrco(第2段階) | 8.64% | 月€4,005(参考 約710,200円)超〜€32,040(参考 約5,682,000円)までの賃金 |
| 均衡貢献金 CEG(第1段階/第2段階) | 0.86%/1.08% | 上と同じ区分 |
| 技術均衡貢献金 CET(第2段階) | 0.14% | 月€4,005(参考 約710,200円)超〜€32,040(参考 約5,682,000円)までの賃金 |
| CSG(一般化社会拠出金) | 9.2%(うち2.4%は所得税の控除の対象外) | 賃金の98.25%(年€192,240(参考 約34,091,800円)まで。超える分は100%)に対して |
| CRDS(社会債務返済拠出金) | 0.5%(所得税の控除の対象外) | 同上 |
最低賃金(SMIC)の場合は、額面に対して手取りが約79%になります。
所得税(impôt sur le revenu)は累進課税です。フランスに居住する人に適用される税率表(2025年の所得分)は、年の課税所得が€11,600(参考 約2,057,100円)まで0%、€11,601(参考 約2,057,300円)〜€29,579(参考 約5,245,500円)が11%、€29,580(参考 約5,245,700円)〜€84,577(参考 約14,998,900円)が30%、€84,578(参考 約14,999,100円)〜€181,917(参考 約32,261,200円)が41%、€181,917(参考 約32,261,200円)超が45%です(出典:service-public.gouv.fr の2026年4月15日更新の記載)。
フランスに居住していない扱い(非居住者)の場合は、雇用主が給与から源泉徴収する特別な方式が使われます。10%の控除をしたあとの額に対して、年€17,122(参考 約3,036,400円)未満の部分が0%、€17,122(参考 約3,036,400円)〜€49,667(参考 約8,807,900円)の部分が12%、€49,667(参考 約8,807,900円)を超える部分が20%です(2025年の所得分・出典:税務当局 impots.gouv.fr)。申告はオンラインが原則です。
ワーホリのビザ費用と必要な資金(日本国籍者)
日本国籍者のフランスのワーキングホリデー・ビザ(visa « vacances-travail »)は、申請料が無料です。在日フランス大使館の公式ページに「このビザは完全に無料」と書かれています(2025年12月更新)。大使館は、このビザについて有料の助言や手続きの代行を持ちかける業者に注意するよう呼びかけていて、大使館が認定・承認した団体はないとしています。
- 年齢:申請時に18歳以上30歳以下(31歳の誕生日の前日まで申請できる)
- そのほかの条件:以前に同じビザを取得したことがない・子どもを同伴しない
- 所持金:€3,100(参考 約549,800円)(フランス外務省が日本の要件として示す額・2026年10月16日更新)。消費するお金ではなく、資金の証明です
- 有効期間:ビザに記す出発日から1年。フランス本土(ヨーロッパの県)のみ有効で、海外県・海外領土は対象外です
- 延長・変更:滞在期間の延長や在留資格の変更はできません。ビザは1回しか発給されず、パスポートを紛失しても再発給されません
申請は、東京の在日フランス大使館の領事部が、日本全国の居住者を受け付けます。本人が事前に予約して大使館へ出向いて提出する方式で、郵送の申請は受け付けません。審査の期間は約1週間で、フランスへの入国予定日の3か月前以降でなければ申請できません。申請書はフランス語か英語で記入し、写しはA4サイズです。必要書類の一覧は、フランスのビザ情報サイト France-Visas にあります(この記事の作成時には、自動取得を拒否されて確認できていません)。外務省のページによると、日本の年間の枠は1,800人で、毎年、協定を結ぶ国の間で定められます。

医療保険と医療費(PUMA)
フランスの公的医療保険は PUMA(Protection Universelle Maladie)です。フランスで安定して、または継続して働く・住む人が対象です(出典:service-public.gouv.fr)。働いている人は、働き始めた時点で加入資格が生じ、雇用主が手続きをします。働いていない場合は、フランスに来てから3か月待ったあとに権利が開きます。ワーホリのビザは就労を認めているので、就労者として扱われます。
登録すると Carte Vitale(健康保険証の IC カード)が発行され、受診のときに提示すると、払い戻しの手続きが自動で行われます。かかりつけ医(médecin traitant)を登録して、受診の順序(parcours de soins)に沿って受診すると払い戻し率が高く、順序の外では下がります。一般医(Secteur 1)の標準の診察料は€30(参考 約5,300円)で、受診の順序に沿う場合の払い戻しは€19(参考 約3,400円)です(70%の€21(参考 約3,700円)から定額の€2(参考 約350円)を引いた額)。順序の外で受診すると、払い戻しは30%に下がります(出典:service-public.gouv.fr)。
歯科や眼科、補綴物などは保険の対象が限られ、補完の民間保険(mutuelle)で補う人が多くなっています。PUMA は原則として無料(社会保険料で賄われる)ですが、働いていない人で収入や資産が一定を超えると、補助的な保険料(cotisation subsidiaire maladie)がかかることがあります。補完の民間保険の料金表は、この記事の作成時点では確認できていません。
家賃と敷金の相場
パリの民間賃貸の家賃について、公的な統計は INSEE(国立統計経済研究所)が、パリ地域家賃観測所 OLAP の調査をもとにまとめた報告(Analyses Île-de-France No.220)で、2022年のデータです。2022年のパリの民間賃貸(家具なし)の平均家賃は、管理費を除いて月€1,160(参考 約205,700円)で、地区の区分によって月€850(参考 約150,700円)から€1,860(参考 約329,900円)まで幅があります。
間取り別の平均は、スタジオ(1部屋)が月€690(参考 約122,400円)、2部屋が€1,010(参考 約179,100円)、3部屋が€1,430(参考 約253,600円)、4部屋以上が€2,390(参考 約423,800円)です。1㎡あたりでは、スタジオが€27.2(参考 約4,800円)で、面積が広くなるほど1㎡あたりの家賃は下がります。これは2022年の統計で、最新年の公的な家賃統計は、この記事の作成時点では確認できていません。
敷金(dépôt de garantie)の法定の上限は、家具なしの住居で家賃1か月分(管理費を除く)、家具付きの住居で2か月分です(出典:service-public.gouv.fr)。
食費については、一人あたりの月額の公式な統計を確認できていないため、この記事では金額を示しません。

交通費(パリの Navigo)
パリとイル・ド・フランス圏の公共交通は、RATP と Île-de-France Mobilités が運営しています。検索で確認できた2026年の額では、Navigo の月額パス(全ゾーン)は€90.80(参考 約16,100円)、週額パス(全ゾーン)は€32.40(参考 約5,700円)、Navigo Easy カードに入れて使う1回券は€2.50(参考 約440円)です。公式の運賃頁をこの記事の作成時に開けなかったため、これらは目安です。最新の料金は、RATP と Île-de-France Mobilités の公式サイトで確認してください。
円換算の目安
この記事の円換算は、欧州中央銀行(ECB)が公表した2026年10月20日の参考レート(1ユーロ=177.34円)で計算した目安で、ユーロ額のあとの「参考」の円額が該当します。為替は日々変動し、両替や送金で実際に適用されるレートは金融機関によっても異なります。当日のレートは ECB の公式ページ(https://www.ecb.europa.eu/stats/policy_and_exchange_rates/euro_reference_exchange_rates/html/index.en.html)で確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q. フランスのワーホリビザの申請料はいくらですか?
A. 日本国籍者のワーキングホリデー・ビザは無料です(在日フランス大使館の公式ページ)。ほかに、所持金として€3,100(参考 約549,800円)の証明が必要です。申請は東京の大使館に、本人が予約して出向いて行い、郵送は受け付けません。
Q. フランスで最低賃金で働くと、月の手取りはいくらですか?
A. 2026年6月以降の SMIC で週35時間働くと、月額は brut €1,867.02(参考 約331,100円)、社会保険料などを引いたあとの net が€1,477.93(参考 約262,100円)です(額面の約79%)。
Q. フランスの病院にかかると、いくら払い戻されますか?
A. 一般医(Secteur 1)の標準の診察料は€30(参考 約5,300円)で、かかりつけ医の登録など受診の順序に沿えば、公的保険から€19(参考 約3,400円)が払い戻されます。順序の外で受診すると、払い戻しは30%に下がります。
税・社会保険料・為替・運賃は改定されることがあるため、渡航前に必ず公式の情報で確認してください。




















