4月に入り、いよいよ春本番の陽気になってきましたね。
春と言えば、日本人にとっては出会いと別れの季節。卒業と入学、進学や就職、転勤や移動…。それらのイベントを華やかに彩り、一層思い出深くしているのが、桜の花です。
日本の国花にも登録され、日本人の心を代表していると言われる桜の花。
皆さんは桜についてどれくらいご存知でしょうか?また、海外にも桜が楽しめる名所があるのでしょうか?
今回は、桜の基礎知識と、海外でも楽しめる桜スポットについてご紹介します。
<もくじ>
・桜の花の基礎知識
・海外の桜スポット
・桜の花の基礎知識
<桜の名前の由来>
桜は古くから、田植えの時期を知らせ、穀物の神を宿す神聖な樹として大切に扱われてきました。
「サクラ」という名前の由来は諸説ありますが、稲の精霊である「さ」と、神の宿る場所を指す「くら」が合わさって出来た言葉であるという説や、古事記などに登場する日本神話の女神、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)の「サクヤ」から来ているのでは、という説もありますね。
<お花見文化の起源>
桜の木に降りてくる穀物の神をお酒や舞で持て成し、その年の豊作を祈念したのがお花見の始まりとも言われています。それに美しい桜の花の鑑賞という意味が加わり、平安時代には貴族の間で流行し、桜を見ながらの歌会などが開かれました。江戸時代には賑やかな行楽行事として広く民間にも広がり、それが現在にも続いています。
<歌の中の桜>
奈良時代には、数ある花の中でも中国から伝来した梅の花がその代表として持て囃され、歌の題材としても多く扱われていました。しかし平安時代には桜がその地位に取って代わります。
桜は花の中でも特別なものになり、歌集などの中で「花」と言えば、それはイコール「桜」を指すようになりました。桜を歌った和歌や短歌は数知れません。
現在でも、春になると桜をテーマにした数々の歌が私たちの耳を楽しませてくれますね。
<桜の種類>
桜には数多くの種類があります。より美しく特徴的な桜を鑑賞する為、日本に自生する野生種(オオシマザクラ、ヤマザクラ、エドビガン、カスミザクラなど)11種を交配させ、実に300種類以上の栽培品種を生み出してきました。
その中でも、全国で最も広く分布しているのがソメイヨシノです。桜の中でも淡く優しい色合いで、春に一斉に花咲き、比較的短い期間で散っていきます。
葉は花が終ってから出てきますので、花の時期には花の色一色になるのが美しいですね。一般的に日本人が「桜」と聞いてイメージするのはこのソメイヨシノの姿になります。
<食用の桜>
桜の花は、ただ見て楽しむだけではありません。桜餅から桜フレーバーラテまで、桜スイーツはこの時期だけの特別感と共に私たちの舌を楽しませてくれます。
桜の花の上品な香りは、塩漬けすることにより引き出されます。塩漬けする食用の桜は、葉はオオシマザクラ、花はヤエザクラを使うのが一般的のようですね。また、桜の実はサクランボとして、その可愛らしい見た目と爽やかな甘みを楽しみます。
・海外の桜スポット
上記でご紹介してきた通り、桜は日本で昔から愛されてきました。日本を代表する花であり、日本特有のものと言うイメージが強いですよね。留学やワーホリで海外に渡航するのであれば、桜はお預けになってしまうのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません!海外にも桜が楽しめる美しいお花見スポットが沢山ありますので、ご紹介していきますね。
【アメリカ】
アメリカの桜スポットとして有名なのが、ワシントンDCのタイダルベイスン。西ポトマック公園の一部として市民の憩いの場になっており、そこには1912年に日本から贈られた桜の花が植えられています。
毎年春には全米桜まつりが開かれ、2週間にわたり、落語などの文化公演、歌や踊り、着物のファッションショーなど、多くの催しが企画されます。桜だけでなく、様々な日本の文化を楽しむことができる一大イベントですね。
【イギリス】
イギリスの首都ロンドンには、いくつかの桜スポットがあります。中でも最も多くの種類を楽しめるのが、ロンドン南西部にあるキュー・ガーデンズ。1759年に宮殿併設の庭園として始まり、今は世界で最も有名な植物園の一つされています。
ここには1980年に日本花の会から贈られたヤエザクラ53本が植樹されている他、56種類の異なる品種の桜が管理されています。西洋の植物園らしく、大変綺麗に手入れされ整えられている桜の様子を楽しむことができます。
【カナダ】
カナダの留学都市バンクーバーには、市内に4万本以上の桜があると言われています。1930年代に、第一次世界大戦の「日系カナダ人戦没者慰霊碑」が設置されたスタンレーパークへ、神戸市と横浜市が500本の桜を贈ったことが始まりとなり、今では毎年桜まつりが開催されています。
カナダ最大の都市トロントでは、グレナディア池に続く桜並木が有名です。この桜は1959年に第二次世界大戦後に日系カナダ人を暖かく迎え入れたトロント市民へ対する感謝の気持ちとして、東京都民から贈られたもので、2000本が植樹されました。さらに、2000年から12年掛けて、3000本の桜が60か所に植えられています。
どちらの街でも、都市全体に桜の木が植えられており、市民みんなで大切にしている様子が伝わってきます。
【オーストラリア】
オーストラリア最大の都市シドニーから西に320キロほどにある街カウラ。この街の中心地には、5キロにも渡って約2000本の桜が植えられています。その名もサクラ・アベニュー。
またカウラ・ジャパニーズ・ガーデンでは、本格的な日本庭園を楽しむことが出来ます。南半球にあるオーストラリアは日本と季節が逆になる為、桜の見ごろは8月~9月頃になりますが、このころに毎年折り紙教室や茶道、空手などのデモンストレーション、相撲大会などが行われるサクラ・マツリが開かれます。サクラという日本語が自然に根付いているのですね。
いかがでしたか?
海外に居ながらにして、桜の美しさや、日本の文化に触れられるスポットが多くあることを知って頂けましたでしょうか。また、桜を通じて日本との歴史や、平和への想いを学ぶことができますね。
これらの国に滞在されている方は、是非海外でも桜を楽しんでくださいね。