ワーホリ帰国後の就活を有利にすすめるポイントとは?

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社会人でワーキングホリデー(以下、ワーホリという)を考え始めると、どうしてもついて回るのが、帰国後のキャリアの不安ですよね。ワーホは基本的には最低でも1年間、長期間に亘って海外に滞在する渡航方法ですので、休職制度が利用できるケースは極めて稀です。結果として、会社を退職をして渡航される方が大半を占めます。

そうなると気になるのが、帰国後のキャリアや、ワーホリ期間についての書類上の空白期間です。

特に履歴書の綺麗さや就労期間を重んじる日本の文化では、このワーホリ渡航後の経歴でも「帰国後に問題なく再就職できる?」「給料は下がらない?」などの不安を感じられる方が多くいらっしゃいます。

実際に、WEB検索エンジンで、〝ワーホリ〟〝帰国後〟を調べると「人生終わった」のような関連キーワードの検索結果まで出てきます。これでは不安は解消されるばかりか、募ってしまうばかりです。そこで今回は、ワーホリ経験が帰国後の就活に与える影響、そして帰国後の就活を有利に進めるために抑えておくべきポイントについてお話していきます。

 

 


<目次>

1:ワーホリ経験が帰国後の就職活動に及ぼすデメリット
– ワーホリ=休暇のイメージ
– 履歴書上の空白期間
– 語学力不足
– 離職率の増加
– 強すぎる海外志向・英語志向

2:ワーホリ帰国後の就職活動を有利にすすめる為に抑えておくポイント
– 目標・目的を明確にする
– 不用意に滞在期間を延ばさない
– 学生ビザを併用する
– 資格・スコアを取得する
-〝ビジネス人間力〟についてアピールする
– より質の高い就労経験を積んでくる
– 長期就労を視野にいれ、意欲をアピールする

3:まとめ


では、対策を講じるにあたり、ワーホリ経験が帰国後の就職活動に及ぼす影響、つまるところデメリットってなに?という点について把握をしておきましょう。
ワーホリが帰国後の就職に与えうるデメリットは、概ね以下の5点です。


【ワーホリ経験が帰国後の就職活動に及ぼすデメリット】

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① ワーホリ = 休暇のイメージ

ワーホリ=就労ではなく、ワーホリ=休暇というイメージが強くあり、留学や就労というよりは、長期休暇を海外で遊んできたのでは?と考える企業側の採用担当者がまだまだ多くいること。

② 履歴書上の空白期間

ワーホリ期間中働くことは可能ですが、滞在期間や語学力の問題から、Full-time(所謂、正社員雇用)ではなく、Part-timeでのアルバイト雇用を選択される方が殆どです。Part-timeは履歴書などの書類上で、就労経験として記載をしないルールがある為、履歴書上に空白の期間が生まれてしまいます。

③ 語学力不足

ワーホリ期間だけでは、ビジネスシーンでアピール可能なレベルの語学力が、現実的に身に付け難いということも挙げられます。ベースに平均値よりも高い語学力があればその限りではないですが、一般的にワーホリの1年間だけでビジネスシーンに対応できる実用的な語学力を身に付けることは困難です。理由として、ワーホリには、オーストラリアは4ヶ月、カナダ・ニュージーランドは6ヵ月までなど、就学期間に制限が設けられているケースが多い為、学生ビザに比べて、十分な就学期間を担保することが難しい点が挙げられる他、予算の問題などで短期就学を選択される方が多いことも理由に挙げられます。

④ 離職率の増加

ワーホリ経験者の、帰国後の早期離職率が高い傾向にあることも見逃せません。
ワーホリを経験すると、いい意味でも悪い意味でもフットワークが軽くなる傾向があります。海外での就労は日本に比べ残業が少なかったり、報酬が高かったりと、分かりやすいメリットを多く感じられます。これらを一度経験することで、海外志向が強まった結果、帰国後の日本の社会にワーホリ経験者本人が馴染み辛く感じることがあり、再度海外に出ようとする動きが強まった結果として、離職という選択肢が生まれやすいのです。海外志向が強まるという事は、悪い事ばかりではないですが、企業の採用担当者側には早期離職の懸念が付いて回ってしまうことは一つの事実です。

⑤ 強すぎる海外志向・英語志向

海外志向・英語志向が強まると、仕事でどうしても英語を使いたいという考えに染まりやすいという一面があります。『英語を使う仕事をしたい』『海外で働きたい』という考えは尊重できますし、是非チャレンジをして欲しい反面、実際には掲げる目標に対して必要な語学力が大きく不足していたり、時に『英語が喋れれば何でも良い』と、仕事の内容を軽視しがちになってしまう方が見受けられます。英語はあくまでもコミュニケーションツールです。仕事は各企業が確たる理念や信念の元で興している自己実現や社会貢献の場です。企業の担当者の方は、英語を勉強する場所を提供しているのではなく、あくまでも企業理念に賛同し、一緒に社会貢献をしてくれる方を募集しているという事を忘れないようにすることが大切です。就職活動では、英語ではなく、仕事内容を第一に考える必要があることを覚えておきましょう。英語はあくまでもそれら業務を熟す上で必要なコミュニケーションツールであり、能力を計る為の一つの評価値となります。

以上5点がワーホリ帰国後の就職活動で失敗しない為に、まず抑えておきたいポイント5選でした。

とはいえ、ワーキングホリデーに挑戦した方が軒並み帰国後の就職活動で失敗しているのかというと当然そんなことはありません。其々の問題について明確に対策を行い、帰国後の就職活動を成功させている方も沢山いらっしゃいます。
では、帰国後の就職を有利に進めるためには、どのような対策が必要なのでしょうか。

 

【ワーホリ帰国後の就職活動を有利にすすめる為に抑えておくポイント】

【1】目標・目的を明確にする

必ず言われることですが、基本にして最重要の項目と言えるでしょう。まずはワーキングホリデーの準備段階から、目標と目的を明確にしておきましょう。理由は明快でして、目標と目的が決まっているか決まっていないかで、仕事を任せる上での求職者の計画性や問題解決能力が判断出来るからです。『課題を確認し、計画を立て、実行し、成果を持ち帰る。』これがプライベートでも出来る方は、仕事でも一定の成果を出せると見込まれます。対して、『課題も見えず、課題解決に必要な計画も立てず、実行が出来ず、成果を持ち帰らない。』そんな方を留学に行ったという事実だけで評価することは難しいという事は容易に想像ができますよね。繰り返すようですが、目的を立て、それを達成するための中間目標をいくつか立て、実行し、成果を得る。全ての仕事で社会人として必要とされる基本的な能力です。これが出来る事で、結果として単なる休暇ではなく、自身の課題解決の為に必要な渡航だったことを企業にアピールすることが出来ます。

【2】不用意に滞在を延ばさない

目的・目標を立てたら、それを出来る限り最短、あるいは最適な期間で達成できるよう、計画を立てましょう。日本帰国後の就職を想定している場合、履歴書の空白期間についてのケアを考えると、不用意に滞在期間を延長することはあまりお勧めできません。なんとなく毎日を過ごすのではなく、1日1日を大切に時間を有効に使えるよう心掛けましょう。ただし、現地就労や現地への移住を本気で考える場合には、計画的に滞在期間を延長することも検討していきましょう。

また、少し別の話になりますが、渡航前後の日本での就労期間のケアも忘れずに行う必要があります。渡航前について言えば、同じ理由からアルバイトで予算を貯めるという選択肢はあまりお勧めできません。正社員または、派遣社員などの就労の選択肢も上手に活用しましょう。
渡航後については、帰国後から動き出すのではなく、帰国前から就職活動を始めることをオススメします。帰国後スイッチを素早く切り替えることが出来ず、就職活動開始まで、数ヶ月空けてしまう事で、この期間について深堀をされてしまうことで、行動力や計画性、または働く意欲そのものに懸念が生まれ、採用の際不利に働くケースがございます。

【3】学生ビザを併用する

前述のとおり、ワーホリの1年間だけでビジネスシーンで通用する語学力を習得することはかなり難しいという現実があります。とは言え、ワーホリを不用意に利用し、1年単位で滞在を延長するのは、履歴書上の空白期間というリスクを考えると避けたいところです。この時選択肢として挙がるのが、学生ビザという選択肢です。国により若干ルールが異なりますが、学生ビザとワーホリビザを併用し、就学期間と就労期間の双方をしっかりと担保する方法もございます。
そもそも学生ビザは、語学学校や専門学校、大学に関わらず、現地で就学することを条件に、就学期間に応じた滞在期間を認可する為のビザとなります。この場合、滞在目的は明確に就学と判断される為、ワーホリ=休暇という企業採用者側の認識を覆(くつがえ)すことが可能です。

【4】資格・スコアを取得する

資格やスコアは、渡航の明確な成果に当たる部分です。帰国後の就職活動の際、企業へのアピールの裏付けとなる為、資格の取得は非常に有効な手段です。TOEIC・TOEFL・IELTS・ケンブリッジ英検など様々な資格がありますので、自身の目的に合ったものを選択しましょう。出発前から、ご自身の語学力が十分に付いた後にチャレンジしたい仕事・業種について考えを巡らせ、どの程度のスコアが必要なのか、取得しておくと有利に働く資格はなんなのかを把握し、滞在中の目標に設定すると良いでしょう。

【5】〝ビジネス人間力〟についてアピールする

先にもお伝えした通り、英語はコミュニケーションツールであり、結果や成果の証明としては有効なものの、仕事を行う上ではもっと重要な部分があります。それが、ビジネスリテラシーと言われる能力です。〝ビジネス人間力〟と言い換えることもできるかもしれません。

ワーホリや留学を経験すると、多くの方が帰国後の就職活動の際、〝言語適応力〟=語学力と、〝環境適応力〟=異文化理解の精神 の2点アピールされますが、これらは、グローバルリテラシーとよばれ、ビジネスリテラシーとは対比される能力です。これら2つの能力は確かにグローバル人材に求められている能力であるものの、この二つばかりでは、求職者が実際にどのように、入社後の現場で活躍をしてくれるのか、について十分なイメージを持つことが出来ません。特に英語力については資格さえ取得していれば、書類上で判別できる能力ですし、海外での就労経験があれば尚更ですよね。面接で敢えて深堀する部分では無い、というのが採用担当者側の考えです。

対して、皆さまが仕事を行う上で、実際にどのような働き方が出来るのか、どのようなシーンで活躍が見込めるのかに直結する〝ビジネスリテラシー〟の有無は、面接の際、企業担当者がもっとも知りたい部分となります。しっかりと自己分析を行い、アピールポイントとして明確にしておきましょう。

ビジネスリテラシーの代表例は、〝リーダーシップ〟〝問題解決能力〟〝コミュニケーション力〟などが上げられます。

其々、
リーダーシップ とは、行動力・主体性・発信力・チャレンジ精神などの〝能動力〟に該当する能力。
問題解決能力とは、課題発見能力・計画性・実行力・マネジメント力 など、〝課題解決力〟に該当する能力。
コミュニケーション力とは、対話力・チーム力・ストレス耐性などの〝協働力〟に該当する能力を指します。

これまでの就労経験やワーホリ・留学経験を通して、どのような〝ビジネス人間力〟を培ったのか、実際に入社後どのように貢献が出来るのか、具体的なストーリーと併せてアピールすることで、ご自身の価値は2倍も3倍も魅力的に伝わるはずです。

【6】より質の高い就労経験を積んでくる

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ワーホリは、誰でも比較的自由に、海外で就労のチャンスを得ることが出来る貴重な制度です。いきなり現地企業で就労というのは難しくても、学生ビザを併用して、自身の語学力を底上げした上で、ワーホリビザでの就労期間を確保したりと、事前準備をして臨むことでチャンスは生まれます。とは言え、滞在中に現地企業に就職するには高い語学力に加え、相応の実務経験も必要となり、望んだとしても誰もが出来る事ではありません。
そんな時におススメしたいのが、海外でのビジネスインターンシップです。
前述のとおり、アルバイト経験は履歴書に書くことが出来ませんが、インターンシップであれば話は別です。インターンシップは、「履歴書に書ける」立派な就労経験です。
言語の違いという大きな壁の中で、実務経験を積んだという実績は、業務内容に関わらず評価が出来るものですし、実務レベル語学力の証明になるばかりか、その行動力や胆力、チャレンジ精神、更にはストレス耐性などのビジネスリテラシーに関する能力ついて、一定の評価が為されます。
何よりも、ご自身にとって大きな自信となるでしょう。

実際に、平成25年度にJAOS海外留学協議会が、厚生労働省委託の元で発表した『海外就業体験が若年者の職業能力開発・キャリア形成に及ぼす影響に関する調査研究』の調査結果では、ワーホリでの就労経験に比べて、海外インターンシップ経験者の方が、語学力のみならず、国際感覚、コミュニケーション力、判断力や、問題解決能力など、あらゆる分野でより高い成長を実感できた。と回答したことが報告されています。
勿論ワーホリビザも利用方法によっては、同等の成果が挙げられる可能性があるという事でもあります。単にワーホリに行くではなく、より質の高い就労経験を積むために、様々な可能性を模索することが、ご自身の将来にとっても大切だという事が分かります。

【7】長期就労を視野に入れ、意欲をアピールする

そして最後になりますが、早期離職の懸念に対するケアもしっかりとしておきましょう。ご自身がこれまでの経験を通してどんなことに興味を持っているのか、その分野で成長するにあたり、入社後の企業でどのような経験を積みたいのか。しっかりと自分なりの先の展望を見据え、じっくりと長期的に学んでいく姿勢を見せていきましょう。

〝最前線で、人の助けになりたい〟
〝留学を通して感じた、教育のすばらしさを伝えたい〟
〝夢を追う人たちを応援したい〟
〝改めて感じた、日本のすばらしさを伝えたい〟

どんなことでも結構です。これなら続けていきたい、このためになら働きたい、というご自身にマッチする価値観を見つけ、ご自身のやりがいとして意欲的にアピールが出来るように、早くから自分の興味について考えておきましょう。

 

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。
今回は、ワーホリを検討されている社会人の皆さまが気になる、ワーホリが帰国後の就職活動に及ぼす影響5点と、その対策方法として、ワーホリ帰国後の就職活動を有利に進めるために抑えておきたいポイントを7選紹介させていただきました。

1:ワーホリ経験が帰国後の就職活動に及ぼすデメリット
– ワーホリ=休暇のイメージ
– 履歴書上の空白期間
– 語学力不足
– 離職率の増加
– 強すぎる海外志向・英語志向

2:ワーホリ帰国後の就職活動を有利にすすめる為に抑えておくポイント
– 目標・目的を明確にする
– 不用意に滞在期間を延ばさない
– 学生ビザを併用する
– 資格・スコアを取得する
-〝ビジネス人間力〟についてアピールする
– より質の高い就労経験を積んでくる
– 長期就労を視野にいれ、意欲をアピールする

 

どんな手段も、使い方ひとつで得られる成果は大きく変わります。
『ワーキングホリデービザ』の正しい用途を知り、世間の評価を知り、対策を講じれば、
皆さんの行動次第で、これらの経験を帰国後の就職活動に有利に働かせることは可能なのです。

現在は以前に比べると、ワーホリ渡航者を率先して雇用したいという企業の動きも活発に見られており、弊協会にも日々企業様からの問い合わせがございます。協会では留学サポートの一環として、そうした企業様と皆さまとのマッチングのお手伝いもさせて頂いております。
ですから是非、必要以上に怖がらず、ご自身の未来に向けて歩みだしてみてくださいね。


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この記事の内容は 2023年04月28日 (金) に書かれたものです。

情報が最新ではない可能性がありますのでご注意ください。


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タグ : キャリアコラム, キャリアサポート, ワーホリ準備, 帰国後の就活, 帰国後の就職, 海外就労, 渡航準備

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