
この記事の要点:日本とスイス間にはワーキングホリデー協定はありません。利用できるのは「ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)」です。年齢制限、費用、申請条件、就労状況など、2026年10月9日時点で確認できた最新情報に基づき、スイスでの滞在・就労準備をサポートします。
1. スイス YPPとは?ワーホリとの違い
日本とスイス間にはワーキングホリデー協定は存在しません(在日スイス大使館FAQ参照:https://www.eda.admin.ch/countries/japan/en/home/visa-entry-to-switzerland/entry-ch/faq-visa/informationen-nzl-buerger.html)。日本人がスイスで長期滞在し、就労できる制度は「ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)」です。このプログラムは、2009年の日本・スイス経済連携協定(EPA)に基づき、両国の若者が相手国で職業訓練を受ける機会を提供するものです(SEM公式ページ:https://www.sem.admin.ch/sem/en/home/themen/arbeit/berufspraktikum.html)。
2. 応募資格:年齢、学歴、雇用条件
- 国籍: 日本国籍を有すること(SEM公式PDF p.2)。
- 学歴: 職業訓練修了(見習い・応用科学大学卒)または学士号以上を有すること。訓練を受けた職業・専攻分野での就労が条件です(SEM公式PDF p.2)。
- 年齢: 最大35歳(SEM公式PDF p.6 Japanセクション)。
- 雇用: スイスの雇用主との訓練プログラム付き雇用契約が必須です。求職活動は自己責任で行い、申請中のスイス国内滞在は認められません(SEM公式PDF・大使館PDF)。
3. 申請手続き:ステップと必要書類
YPPの申請は、以下のステップで行います。
- 求職活動: スイス国内の雇用主を探し、訓練プログラム付きの雇用契約を締結します(自己責任)。
- 書類準備: 以下の書類を準備します(大使館PDF 2023年4月)。
- 公式申請書2部原本(署名済み・SEM公式サイトからダウンロード)
- 訓練プログラム付き雇用契約書2部コピー
- 職業資格証明書または大学学位証明書のコピー
- 現在の履歴書(CV)
- 在職証明書コピー(該当者のみ)
- 申請提出: 書類を在日スイス大使館(東京都港区南麻布5-9-12)に直接提出します。
- SEM審査: 大使館が書類をスイス連邦移民局(SEM)へ転送し、審査が行われます(4〜8週間)。
- Zusicherung受領: 承認後、大使館から自宅住所にZusicherung(滞在許可事前承認書)が郵送されます。
- 入国: Zusicherungと有効なパスポートのみでビザなし入国が可能です(日本国籍者はビザ不要)。
- 住民登録: 入国後14日以内に居住地の住民登録事務所に登録し、登録完了後に就労を開始できます(SEM公式PDF p.4)。
4. 滞在期間と延長:最長18ヶ月のルール
YPPの滞在期間は最長18ヶ月です(SEM公式PDF p.2)。複数回の滞在も可能ですが、合計期間が18ヶ月以内である必要があります(SEM公式ページ:https://www.sem.admin.ch/sem/en/home/themen/arbeit/berufspraktikum.html)。延長申請は、許可満了の約2ヶ月前にSEMへ書面で申請する必要があります(SEM公式PDF p.4)。
5. 就労条件:雇用制限と給与水準
YPPでは、訓練を受けた職業・専攻分野でのみ就労が許可されます。パートタイムや自営業は認められていません。また、1社に複数の研修生を置く場合は、同社全従業員の5%以内という制限があります(SEM公式PDF p.2)。給与は地域・業界の水準を踏まえ、集団労働協約・州ガイドラインを適用した上で、入職者レベル以上であることが義務付けられています(SEM公式ページ)。

6. 生活費:健康保険、社会保険、税金
以下に主な費用をまとめます。
- 健康保険: 到着後3ヶ月以内に加入義務があり、2026年の全国平均月額はCHF393.30(約68,000円、2026年10月9日現在、1CHF=約173円)。
- 社会保険: 就労開始と同時に、AHV(老齢・遺族年金)、IV(障害保険)、EO(所得補償)に加入し、従業員と雇用主がそれぞれ5.3%を拠出します(AHV公式パンフレット https://www.ahv-iv.ch/p/2.01.e)。
- 失業保険: 年間賃金CHF148,200以下の部分に2.2%(従業員・雇用主各1.1%)が適用されます(AHV公式パンフレット https://www.ahv-iv.ch/p/2.01.e)。
- 税金: Permit L保有者は、所得税が源泉徴収されます(ESTV公式ページ: https://www.estv.admin.ch/de/quellensteuer)。税率は居住する州によって異なり、チューリッヒ州の例では、単身扶養なしの場合、月収CHF12,001〜12,050で約12.46%(出典: https://www.zh.ch/de/steuern-finanzen/steuern/quellensteuer/quellensteuer-tarife.html)。
7. 最低賃金:州ごとの違い
スイスには連邦レベルの一律最低賃金はありません。最低賃金は州ごとに異なり、業種や集団労働協約によっても変動します。2026年時点の主な州の最低賃金は以下の通りです。
- ジュネーブ州: CHF24.59/時(約4,252円)
- バーゼル=シュタット州: CHF22.20/時(約3,841円)
- チューリッヒ市: CHF23.90/時(約4,135円)

8. 連絡先:疑問点はどこに相談すればいい?
スイス YPP に関する問い合わせ先は複数あります。まず、プログラムに関する一般的な質問は、スイス連邦移民局(SEM)のウェブサイト(https://www.sem.admin.ch/sem/en/home/themen/arbeit/berufspraktikum.html)で確認しましょう。YPP 専任のメールアドレス(young.professionals@sem.admin.ch)でも問い合わせが可能です。
ビザ申請に関する具体的な質問は、在日スイス大使館ビザ部門(tokyo.visa@eda.admin.ch、電話:+81-3-5449-8400)に連絡してください。電話受付時間は月曜日から金曜日の9:00~12:00です。大使館への問い合わせの際は、質問内容を明確にし、必要な情報がすぐに伝えられるように準備しておきましょう。これらの窓口を活用し、不明な点を解消してから申請を進めることをおすすめします。
9. 費用はどのくらいかかる?
スイスのPermit L発行手数料は、国籍によって異なります。EU/EFTA国籍者向けのCHF65は日本国籍者には適用されません。日本を含む第三国国籍者の場合、連邦外国人統合法手数料令に基づき、Permit L発行手数料は上限CHF95、バイオメトリックカード発行手数料がCHF22、生体情報取得費用がCHF20です。合計すると最大でCHF137となります。ただし、実際の金額はカントンによって異なり、連邦政府が定める上限額を下回る場合もあります。
2023年4月時点で、SEM(スイス移民局)のYPPページや在日スイス大使館のPDFには手数料に関する記載が見当たりません。正確な金額は、tokyo.visa@eda.admin.ch 宛にスイス大使館へ直接問い合わせる必要があります。
10. よくある質問(FAQ)
Q. スイスでワーキングホリデーはできますか?
A. 日本とスイス間にはワーキングホリデー協定はありません。利用できるのは「ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)」です(2026年10月9日現在)。
Q. YPPの申請に必要な書類は何ですか?
A. 公式申請書、雇用契約書、資格証明書、履歴書、在職証明書などが必要です(2026年10月9日現在)。詳細は在日スイス大使館のウェブサイトで確認してください。
Q. スイスでの健康保険は必須ですか?
A. はい、YPP参加者は到着後3ヶ月以内に健康保険への加入が義務付けられています(2026年10月9日現在)。
Q. スイスの最低賃金はいくらですか?
A. スイスには連邦レベルの一律最低賃金はありません。州や業種によって異なり、2026年のジュネーブ州ではCHF24.59/時です(2026年10月9日現在)。


