ポーランド ワーホリの手取り【2026年10月】最低賃金・税金・社会保険の計算例

ポーランド ワーホリの手取り【2026年10月】最低賃金・税金・社会保険の計算例

ポーランド ワーホリの手取り【2026年10月】最低賃金・税金・社会保険の計算例

ポーランドのワーキングホリデーで、働いたら手元にいくら残るのかを、ポーランド政府の公式の情報(官報の最低賃金の令・政府の事業者向けポータル biznes.gov.pl・財務省の税務ポータル podatki.gov.pl)をもとに、実額の計算例でまとめます。先に結論を書くと、次の4つです。

  • 2026年の最低賃金は、全国一律で月額4,806 PLN(参考 約192,200円)(総支給)です。2026年1月1日から適用され、雇用契約で働く人は勤続年数によらず同額です。
  • 政府の公式の計算例では、最低賃金で働く従業員の手取りは月3,605.85 PLN(参考 約144,200円)で、総支給の約75%です。
  • 毎月引かれるのは、社会保険料13.71%(年金9.76%・障害年金1.50%・疾病2.45%)、健康保険料9%、所得税の前払い(税率12%)です。PIT-2という届出を雇用主に出していないと、毎月の手取りが300 PLN(参考 約12,000円)少なくなります(年次の申告で戻ります)。
  • 業務委託(umowa zlecenia)で働く場合の最低時給は31.40 PLN(参考 約1,300円)です。雇用契約の最低賃金とは別の制度です。

金額はポーランド・ズロチ(PLN)を基準に書き、カッコで参考円を添えています。1 PLN=40円(2026年10月26日の欧州中央銀行・ECB参考レートの1ユーロ=176.15円と1ユーロ=4.4038 PLNから計算)で計算した目安で、実際の両替レートとは異なります。

ほかの国と費用を比べたいときは、「ワーホリの費用を国別に比較」に、ビザの申請料・必要資金・保険・最低賃金を国ごとに並べています。

早見表(2026年10月時点)

項目 金額・条件 根拠
月額の最低賃金(雇用契約・総支給) 4,806 PLN(参考 約192,200円)(2026年1月1日から) 官報(Dz.U. 2025 poz. 1242)・biznes.gov.pl
最低時給(業務委託) 31.40 PLN(参考 約1,300円)(umowa zlecenia など) 官報・労働家族省
本人が引かれる社会保険料 年金9.76%・障害年金1.50%・疾病2.45%(合計13.71%) biznes.gov.pl
健康保険料 本人負担9%(社会保険料を引いたあとの額にかかります) biznes.gov.pl
所得税 年12万PLNまでは12%、超える部分は32%。非課税枠は年3万PLN(毎月300 PLN(参考 約12,000円)の控除) 財務省 podatki.gov.pl
最低賃金の手取り(月) 3,605.85 PLN(参考 約144,200円)(PIT-2を提出済みの場合) biznes.gov.pl の計算例
雇う側の総費用(最低賃金の従業員1人・月) 5,790.28 PLN(参考 約231,600円) biznes.gov.pl の計算例

1. 最低賃金はいくら?

月額(雇用契約):官報(Dziennik Ustaw 2025 poz. 1242、閣僚会議令・2025年9月11日付)は、2026年1月1日から月額の最低賃金を4,806 PLN(参考 約192,200円)と定めています。令は2026年分として1つの額を定めています。政府の事業者向けポータル biznes.gov.pl は、この額が雇用契約(etat)で働くすべての人に同じで、勤続年数によらないと説明しています。4,806 PLN は総支給で、税と社会保険料を引く前の額です。

時給(業務委託):同じ令は、最低時給も2026年1月1日から31.40 PLN(参考 約1,300円)と定めています。労働家族省によると、この時給の下限は、業務委託(umowa zlecenia、民法734条)とサービス契約(同750条)に適用されます。対象は、事業を営まない個人と、1人で自ら業務を行う個人事業主です。雇用契約の月額の最低賃金とは別の制度なので、契約の種類を確認してください。

ワーホリの参加者だけに別の最低賃金を定めるという記載は、今回確認した公式のページにはありませんでした。

2. 手取りの計算(最低賃金で雇用契約の場合)

biznes.gov.pl には、2026年の最低賃金(4,806 PLN(参考 約192,200円))で働く従業員の、公式の計算例があります。引かれるものを順に並べると、次のとおりです。

手順 計算 金額
1 総支給(社会保険料の基礎) 雇用契約の給料 4,806 PLN
2 年金(本人負担) 9.76% × 4,806 469.07 PLN
3 障害年金(本人負担) 1.50% × 4,806 72.09 PLN
4 疾病(本人負担) 2.45% × 4,806 117.75 PLN
5 健康保険の基礎 1 − 2 − 3 − 4 4,147.09 PLN
6 健康保険(雇用主が天引き) 9% × 4,147.09 373.24 PLN
7 所得税の基礎(四捨五入) 1 − 2 − 3 − 4 − 必要経費250 PLN 3,897 PLN
8 所得税の前払い 12% × 3,897 − 300 PLN 168 PLN
手取り(支払額) 1 − 2 − 3 − 4 − 6 − 8 3,605.85 PLN(参考 約144,200円)

計算のポイントは、次のとおりです。

  • 本人負担の社会保険料は、年金・障害年金・疾病の3つで、率の合計は13.71%、額の合計は658.91 PLN(参考 約26,400円)です。
  • 引かれる合計は、社会保険料658.91 PLN、健康保険373.24 PLN、所得税168 PLN をあわせた1,200.15 PLN(参考 約48,000円)で、手取りは総支給の約75%です。
  • 所得税の前払いの12%は、社会保険料と必要経費(月250 PLN)を引いた額にかかります。月の控除300 PLN(参考 約12,000円)は、手順8で引かれています。2022年1月からは、前払いの所得税から健康保険料を引かない決まりです。
  • PIT-2を雇用主に出していない従業員は、この毎月の控除300 PLN(参考 約12,000円)が使われず、手取りは3,305.85 PLN(参考 約132,200円)になります。控除は年次の申告で戻ります。

3. 所得税のしくみ(雇用契約)

  • 税率:年間の課税所得が12万PLNまでは12%、12万PLNを超える部分は32%です。財務省の税務ポータル podatki.gov.pl が案内しています。
  • 非課税枠:年3万PLNで、税額の控除に直すと年3,600 PLN(参考 約144,000円)(月300 PLN(参考 約12,000円))です。
  • PIT-2(月の控除の届出):雇用主に出す届出で、年の途中でもいつでも出せます。出した翌月から、毎月300 PLN(参考 約12,000円)が給料から前もって控除されます。雇用主が複数いる場合は、控除を3社まで分けられます(1/12の300 PLN(参考 約12,000円)、1/24の150 PLN(参考 約6,000円)、1/36の100 PLN(参考 約4,000円)の3通りで、月の合計の上限は変わりません)。
  • 居住者と非居住者:暦年のうちポーランドに183日を超えて滞在するか、生活の中心がポーランドにあれば、税務上の居住者になり、全世界の所得が課税の対象です。どちらも満たさなければ非居住者で、ポーランドで得た所得だけが課税されます。ワーホリで1年近く滞在する場合は、暦年の滞在日数を確認してください。
  • 雇用主の源泉徴収:雇用契約の給料からは、雇用主が毎月、所得税の前払いを天引きして、翌月20日までに税務署へ納めます。
4. 年次の申告と払い戻し

4. 年次の申告と払い戻し

  • 申告:雇用契約の収入は、翌年4月30日までに申告用紙のPIT-37で申告します(2026年分は2027年4月30日まで)。2月15日から、podatki.gov.pl の「Twój e-PIT」で、雇用主が出したPIT-11をもとに作った入力済みの申告書が使えます。何も操作しなければ、期限にPIT-37とPIT-38は自動で受理されます(PIT-36などは自分で確定の操作が必要です)。
  • PIT-11:雇用主が、年収・源泉徴収した額・社会保険料を書いた証明書を、翌年1月末までに税務署へ、翌年2月末までに本人へ渡します。
  • 払い戻し:電子で申告した場合、払いすぎた税金は提出から45日以内が目安です(4月30日に自動で受理された分は、翌5月1日から数えます)。紙の申告は最大3か月が目安です。還付の状況は、電子税務署のポータルの「Zwroty podatków」(税金の還付)の項目で確認できます。

5. 業務委託(umowa zlecenia)で働く場合

最低時給は31.40 PLN(参考 約1,300円)です(1章)。所得税は、非居住者の場合、原則として一律20%の源泉の分離課税で、本国の税務居住の証明書を出せば、租税条約の定めが優先します。発注者がIFT-1R(外国人向けの源泉徴収の証明書)を、翌年1月末までに税務署へ、翌年2月末までに本人へ渡します。1件あたり200 PLN未満の単発の業務委託は、一律12%の最終の源泉課税で、確定申告に入れなくてかまいません。

この記事では、雇用契約の場合を計算しました。

6. 参考:雇う側の費用

6. 参考:雇う側の費用

biznes.gov.pl の同じ計算例では、最低賃金の従業員を1人雇うと、雇う側の総費用は月5,790.28 PLN(参考 約231,600円)です。総支給4,806 PLN に、事業主の社会保険料984.28 PLN(年金9.76%・障害年金6.50%・労災1.67%〔従業員9人以下の会社〕・労働基金2.45%・給与保証基金0.10%)が加わった額です。

よくある質問

Q. ポーランドの最低賃金は、ワーホリでも同じですか?

A. 雇用契約で働く場合、月額の最低賃金は全国一律で、2026年は4,806 PLN(参考 約192,200円)(総支給)です。勤続年数による差はありません。ワーホリの参加者だけに別の額を定めるという記載は、今回確認した公式のページにはありませんでした。

Q. 手取りはいくらになりますか?

A. 最低賃金で雇用契約の場合、政府の公式の計算例では月3,605.85 PLN(参考 約144,200円)です(PIT-2を提出済みの場合)。出していないと3,305.85 PLN(参考 約132,200円)で、差額の300 PLN(参考 約12,000円)は年次の申告で戻ります。

Q. PIT-2とは何ですか?

A. 所得税の非課税枠(年3万PLN=税額の控除3,600 PLN(参考 約144,000円))を、毎月の給料から前もって使うための、雇用主への届出です。出した翌月から、毎月300 PLN(参考 約12,000円)が控除されます。年の途中でも出せます。

Q. 払いすぎた税金は戻りますか?

A. 年次の申告(PIT-37)で精算されます。電子で申告した場合、提出から45日以内が目安で、紙の申告は最大3か月が目安です。

金額・税率・保険料率は2026年10月時点の公的な情報です。最低賃金・税率・保険料率は毎年改定されることがあり、為替も日々変わります。契約や申告の前に、官報・政府のポータル・ポーランドの税務当局の最新の案内で確認してください。

出典(公的な一次情報)

  • 官報(Dziennik Ustaw 2025 poz. 1242)閣僚会議令 2025年9月11日付「2026年の最低賃金と最低時給」:https://dziennikustaw.gov.pl/D2025000124201.pdf
  • 労働家族省「最低時給(Minimum hourly rate)」:https://www.gov.pl/web/rodzina/minimum-hourly-rate
  • 政府の事業者向けポータル biznes.gov.pl「雇用契約の従業員を雇う費用」(2026年の計算例):https://www.biznes.gov.pl/pl/portal/0083
  • 財務省の税務ポータル podatki.gov.pl「税率と限度額」:https://www.podatki.gov.pl/podatki-osobiste/pit/stawki-i-limity
  • 財務省 gov.pl「PIT-2」:https://www.gov.pl/web/finanse/pit-2
  • podatki.gov.pl「居住者(Residents)」:https://www.podatki.gov.pl/en/residents
  • podatki.gov.pl「2025年分の申告は2月15日から4月30日まで」:https://podatki.gov.pl/aktualnosci/rozliczenie-pit-za-2025-rok-od-15-lutego-do-30-kwietnia
  • podatki.gov.pl「還付と納付(Twój e-PIT の Q&A)」:https://www.podatki.gov.pl/twoj-e-pit/pytania-i-odpowiedzi/nadplatapodatek-do-zaplaty
  • podatki.gov.pl「PIT-11を受け取れないとき」:https://www.podatki.gov.pl/poradniki-i-informatory/brak-pit-11-od-pracodawcy
  • podatki.gov.pl「業務委託・請負の所得の課税」:https://podatki.gov.pl/podatki-osobiste/pit/informacje-podstawowe/co-jest-opodatkowane/dochody-z-umowy-zlecenia-lub-o-dzielo
  • 欧州中央銀行(ECB)ユーロ参照レート:https://www.ecb.europa.eu/stats/policy_and_exchange_rates/euro_reference_exchange_rates/html/index.en.html

ワーホリ協会 について

一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会(JAWHM)です。 ワーキングホリデーと留学の相談を受けていて、2026年9月時点で、のべ15万人以上のご相談にお答えし、6万回以上のセミナーを開いてきました。 カウンセラーが一人ひとりに無料で対応しています。 このブログでは、相談でよく聞かれることや、出発前に決めておきたいお金・手続きの話を書いています。

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