
この記事の要点:ワーキングホリデーで日本に来日したあなたが税金について知っておくべきこと、そして確定申告が必要かどうかを解説します。所得税法上、1年未満滞在の場合は原則として非居住者扱いとなり、確定申告は不要です。しかし、国外から給与を受け取っている場合や、居住者となった場合は対応が異なります。この記事では、国税庁の一次情報に基づき、あなたの状況に応じた対処法を説明します。
ワーキングホリデーで日本での収入に税金はかかる?
ワーキングホリデービザで来日し、日本国内で働いて収入を得た場合、原則として所得税が課税されます。ただし、その課税のされ方は、あなたの滞在期間と「居住者」か「非居住者」かによって大きく異なります。国税庁によると、所得税法上の「住所」を有するか、または継続して1年以上「居所」を有している場合に「居住者」となり、それ以外は「非居住者」となります(NTA No.12006)。ワーキングホリデービザで1年未満の滞在の場合、原則として非居住者とみなされます(NTA No.12020, No.12006)。ここでいう「住所」とは、生活の本拠となる場所を指し、「居所」は一時的に住んでいる場所を意味します。単に日本に滞在しているだけでは「居所」には該当せず、継続的な居住の実態が必要となります。
非居住者の場合:確定申告は不要?税金はどうなる?
非居住者として日本で収入を得た場合、給与には所得税および復興特別所得税が合わせて 20.42% の税率で源泉徴収され、この源泉徴収のみで課税関係が完結します(源泉分離課税)(NTA No.12006, No.12020)。つまり、原則として確定申告を行う必要はなく、追加の納税や還付もありません。非居住者は確定申告できないため、給与から源泉徴収された税額の還付は受けられません(NTA No.12020)。これは、非居住者の所得税が源泉徴収によって完結するためです。例えば、アルバイトやパートで収入を得た場合、雇用主が給与から 20.42% を差し引き、国に納付します。
源泉徴収票の確認と保管
非居住者であっても、日本で収入を得た場合は必ず源泉徴収票を受け取り、大切に保管してください。これは、将来的に国外での税務申告を行う際に必要となる場合があります。源泉徴収票には、あなたの氏名、住所、給与所得の金額、源泉徴収された税額などが記載されています。
よくある誤解:ワーホリだから必ず還付される?
「ワーキングホリデーで働いたお金は、確定申告すれば必ず還付される」という情報は誤りです。非居住者である限り、還付はありません。これは、日本の税制が、非居住者の所得税を源泉徴収によって完結させているためです。
国外からの給与は?準確定申告が必要なケース
給与が国外で支払われる場合でも、日本国内での勤務に対応する部分は国内源泉所得となり、非居住者は出国前に「準確定申告」(quasi-final tax return)を提出し、20.42%の税金を納付する必要があります(NTA No.12019)。これは、例えば、海外の会社に雇用されながら、日本でリモートワークを行っている場合などに該当します。
準確定申告の手続き
準確定申告は、税務署の窓口で専用の用紙を入手し、必要事項を記入して提出します。書類には、あなたの氏名、住所、国外の雇用主の情報、日本国内での勤務期間と収入額などを記載する必要があります。
準確定申告の期限
準確定申告の期限は、出国時となります。出国前に税務署に提出するようにしてください。
1年以上滞在した場合:居住者として確定申告が必要に?
住所を有するか、または継続して1年以上居所を有するに至った場合は「居住者」となり、通常の確定申告(超過累進税率)の対象となります。給与所得者は通常、勤務先の年末調整で精算されますが、以下のような要件に該当する場合はご自身で確定申告を行う必要があります。
- 副業による収入がある場合
- 医療費控除や生命保険料控除など、各種控除を受けたい場合
- 年末調整を受けていない場合
居住者の税率と超過累進税率
居住者の所得税は超過累進税率が適用され、所得に応じて税率が異なります(NTA No.2260)。具体的には、以下の7段階で税率が設定されています。
| 所得金額 | 税率 |
|---|---|
| 195万円以下 | 5% |
| 330万円超~695万円以下 | 10% |
| 900万円超~1800万円以下 | 20% |
| 1800万円超~3000万円以下 | 23% |
| 3000万円超~4000万円以下 | 33% |
| 4000万円超~8000万円以下 | 40% |
| 8000万円超 | 45% |
また、基準所得税額に対して 2.1% の復興特別所得税が併課されます(NTA No.2260)。復興特別所得税は、東日本大震災からの復興を支援するために導入されたもので、2013年から2037年まで課税されます。

確定申告期間はいつ?
確定申告の対象となる期間は1月1日から12月31日までです(NTA No.12011)。申告期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までですが、3月15日が土日・祝日の場合は翌開庁日に延長されます。
確定申告の準備と提出方法
確定申告を行うためには、以下の書類を準備する必要があります。
- 所得税の確定申告書
- 源泉徴収票(勤務先から受け取る)
- 各種控除証明書(医療費控除、生命保険料控除など)
- マイナンバーカードまたはマイナンバーが記載された書類
確定申告書の提出方法は、主に以下の3つがあります。
- e-Tax(電子申告): 国税庁のウェブサイトからダウンロードできる確定申告書作成コーナーを利用して、オンラインで申告・提出します。
- 郵送: 確定申告書を印刷し、必要書類とともに所轄の税務署に郵送します。
- 税務署窓口: 所轄の税務署に直接出向き、確定申告書を提出します。

よくある質問(FAQ)
Q. ワーキングホリデー中に日本で働いた場合、税金は必ず還付される?
A. いいえ、原則として還付はありません。ワーキングホリデービザで1年未満の滞在者は非居住者とみなされ、確定申告ができないため、給与から源泉徴収された税額の還付は受けられません(NTA No.12020)。
Q. 準確定申告とは何ですか?
A. 国外で給与を受け取っている非居住者が、日本国内での勤務に対応する収入に対して、出国前に提出する税務書類です。これにより、国内源泉所得に対する税金を 20.42% で納付します(NTA No.12019)。
Q. 確定申告の期間を過ぎてしまった場合はどうすればいいですか?
A. 期限後であってもできるだけ早く税務署に連絡し、指示に従って申告を行ってください。遅延による加算税が発生する場合がありますので注意が必要です。
Q. 日本で得た収入以外にも課税対象となるものはありますか?
A. 日本国外の不動産収入や配当金など、日本国内源泉所得以外の収入も課税対象となる場合があります。詳細については、税務署または税理士にご相談ください。
Q. 居住者と非居住者の判定は、具体的にどのように行われるのですか?
A. 国税庁は「住所」と「居所」の有無で判断します(NTA No.12006)。「住所」とは生活の本拠となる場所であり、「居所」は一時的に住んでいる場所です。ワーキングホリデーの場合、日本に長期的な居住の実態がない限り、非居住者とみなされます。
Q. 準確定申告の際に必要な書類は何ですか?
A. 税務署で入手できる準確定申告書に加え、あなたの身分証明書、国外の雇用主の情報、日本国内での勤務期間と収入額を証明する書類などが必要です。詳細は税務署にお問い合わせください。
Q. 確定申告は自分でやるしかないのでしょうか?
A. 必ずしもそうではありません。税理士に依頼することも可能です。特に複雑なケースや、確定申告に慣れていない場合は、専門家への依頼を検討するのも良いでしょう。
次の一歩
あなたの状況に合わせて、以下のステップで進んでみましょう。
- 自身の滞在期間と居住者/非居住者のステータスを確認する。
- 源泉徴収票を受け取り、内容を確認する。
- 必要に応じて準確定申告または確定申告の準備を始める。
- 不明な点があれば、税務署または税理士に相談する。
この記事は2026年8月9日時点の国税庁の一次情報に基づいて作成されています。税法や制度は変更される可能性がありますので、最新の情報をご確認ください。
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