先日、欧州委員会(European Commission)はヨーロッパの一部の国へ旅行する際、事前申請が必要になる新しい制度ETIAS (エティアス)の導入を発表しました。
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欧州委員会によりますと、ビザが免除されている日本やアメリカなどの国民がヨーロッパの一部の国に入国する際、事前にインターネットで承認が必要になるETIAS (エティアス)と呼ばれる新制度が導入されます。
今回のETIAS (エティアス)制度導入は、ヨーロッパ圏でのテロ事件頻発が背景にあるようです。フランス パリで起こった大規模テロ事件から1年たちましたが、今での治安面での不安は残っています。
特にEU諸国には「シェンゲン協定」があるので、自由に国境を超えることができる観光者を取り締まることに限界があったため、今回のETIAS (エティアス)制度導入に踏み切ったのかもしれません。
【シェンゲン協定とは】
シェンゲン協定加盟国間において、国境検査なしで国境を越えることを許可する協定のことです。
例えば、日本→ドイツ→フランス→スペインと旅をするとき、「日本からドイツに入るとき」は入国審査がありますが、「ドイツからフランスに入るとき」「フランスからスペインに入るとき」は両国がシェンゲン協定加盟国なので入国審査がありません。
アメリカでもテロ防止などの観点から、短期滞在時のビザ申請を免除しているすべての国々を対象に、ESTA (エスタ)と呼ばれる電子渡航認証システムを2009年から導入しています。現在も入国する際にビザを申請する必要はないものの、このESTA (エスタ)に登録しないと入国することができません。
オーストラリアにも同様の制度、ETAS (イータス)が導入されています。
今回欧州委員会から発表されたETIAS (エティアス)も、アメリカのESTA (エスタ)やオーストラリアのETAS (イータス)と同じようなシステムになると予想されていて、現在の発表では専用のホームページから名前や渡航目的、犯罪歴の有無を登録し、手数料5ユーロ(約590円)を支払って申請完了となるようです。また、登録後は5年間有効になるとも発表されているので、繰り返しEU諸国を旅している方にも苦にならないのではないでしょうか。
ETIAS (エティアス)の導入は2020年からになると予想されています。ヨーロッパへ渡航される方は今後発表される新しい情報を必ず確認するようにしましょう。