今まで数々のビールをご紹介してきましたが、今回は初心に帰ってビールの種類にはどういったものが存在するのかをご紹介していきます。
スタイル(あるいはビールスタイル)と呼ばれますが、まずビールは大きく分けて2種類。
「エール」と「ラガー」です。
「ラガー」は日本でもおなじみ(というよりも日本で流通しているビールの9割以上がラガー)なので、みなさん聞きなれているかと思いますが、実はラガーよりも「エール」のほうが先に生まれています。
詳しくは後ほどですが、19世紀に冷却の技術が普及するまでビール=エールというのが常識でした。
ラガーは実はまだまだ歴史が浅い面もあるんですね。ただし、大量生産・大量消費に適しているのは生産がしやすいラガーであることは確か。産業革命以降の資本主義社会ではラガーが定着していきます。
【ラガーとエールの違い】
ラガー(Lager)はドイツ語の「Lagern」(貯蔵する)が語源。
もともとはバイエルン地方が軟水だったため、硬水とは違った製法を見つける際に低温発酵の特殊な製法を発明したことに起因します。酵母が最終的に沈むことから、エールの「上面発酵」に対してラガーは「下面発酵」と呼ばれています。
エールは逆に冷蔵技術のなかった昔は常温で発酵させるという点で、製造もしやすく普及も早かったそうです。
炭酸ガスをラガーよりも多く噴出し、最終的に酵母が浮かんでくることから「上面発酵」です。
【味の差は・・・?】
ラガーとエールにはとても同じビールには思えないほど、味に差があります。
ラガーは一般的にみなさんがいつも「とりあえず生」ってやるやつですね。
すっきりとのどごしがあり、程よい苦味とさらっとした舌触りが特徴だと思います。
対してエールビール。
日本で有名なエールビールはやはり、長野県に本社を持つヤッホーブルーイング社の「よなよなエール」「水曜日のねこ」など。
実は僕がこのビール大ファンです(笑)
社長の本も読むくらい好きです(笑)「ぷしゅ よなよなエールがお世話になります」
エールビールはその発酵の違いやホップの関係で、ほんのり甘くフルーティな「りんご」「バナナ」のような風味が出ることが特徴です。
あれ、これフルーツビールかな?って思うくらいに香り豊かで、主にイギリス・アメリカ・ドイツのバイエルン州などを中心に出回っています。
【楽しみ方】
よなよなエールのサイトにもあるですが、エールの本来の楽しみ方は「常温で飲むこと」(サイト記載では13℃)
よく「ドイツビールは常温なのか」と言われますが、これは先ほど記載したようにバイエルン州では主にエールが飲まれている(いた)ためで、私も帰国直後はよく言われました。
しかしこれはすべてのビールに当てはまることではなく、単にエールに属するビールがあまり冷やされていないというだけです。
ちなみにドイツの大型のスーパーなどは基本的に陳列は常温です。
個人的には、ポテチなどスナック系は一般的にエールと呼ばれるバス・ペールエール(イギリス)のようなビールが合います。フィッシュアンドチップス+ビールはこれでしょう。
酒蒸しなどの少し手の込んだおつまみはベルジャンホワイトと言われる「ベルギー式」のエールビールが合う気がします。ムール貝やあさりの酒蒸しがベルギーでメインで食べられているのはこの理由なのかと感じます。
【ビールと一言で言っても、種類はさまざま】
一言にビールと言っても「ラガー」の中に「ピルスナー」「ヘレス」、「エール」の中に「ペールエール」「ベルジャンホワイト」「ヴァイス」などがあるように、その種類は幅広く、味も奥深いことが特徴です。
みなさんが日頃季節や、TPOに合わせて服装を選ぶように、ビールもその食事の内容や、季節などによって選ばれるものは変わってきます。
今日着ていく服は「洋服です」という風に言わないのと同じように、飲むときも単に「ビール」ではなく「今日はこれ」というお気に入りのビールをぜひたくさん見つけてみてくださいね٩( ‘ω’ )و
福岡 しょうへい