西洋文化の国々に留学したら、現地のちょっと素敵なレストランに食事に行く機会もあるでしょう。また、少しフォーマルなパーティーに参加することになったり、あるいは現地の友人のご家庭での食事に招待されることもあるかもしれません。
そんな時、気になるのがテーブルマナー。皆さんは自信がありますか?
とっさの時に慌てなくてもいいように、事前に基本のテーブルマナーを少しだけ覚えておきましょう!
<目次>
・基本のテーブルマナー:入店から着席まで
・基本のテーブルマナー:カトラリーの扱い方
・基本のテーブルマナー:食事中のマナー
・基本のテーブルマナー:ナプキンの扱い方
・基本のテーブルマナー:入店から着席まで
テーブルマナーは食事が始まる前から様々な決まりがあります。入店から着席までの基本的な注意点を見ていきましょう。
ドレスコード:
求められるドレスコードのレベルは、お店によって異なります。お店に向かう前に、ホームページなどを確認しておけると安心です。本格的なスーツやフォーマルドレスとまではいかなくとも、最低限のポイントは押さえておきましょう。
まず、Tシャツ、ジーンズ、麻や綿素材の衣類はカジュアルに見えるので避けるのが基本。男性であればハーフパンツではなく足全体を覆う長さのズボンを選びます。女性も同様にフルレングスのパンツスタイルか、膝丈より長いスカートを履きましょう。足元はサンダルやスニーカーでなく、革靴や、つま先の隠れる少しヒールのあるようなものを選ぶと無難です。過剰な露出は避け、女性は肩が出るデザインの場合はストールなどを合わせましょう。
テーブルまでの移動:
入店したら、ウェイターやギャルソンの指示に従って移動します。案内のされる前に勝手に店内を移動したり、空いているテーブルに座ったりという行為はNGです。
着席:
椅子に座ったり立ったりするときは、原則左側から出入りするようにしましょう(ただし、お店の間取りなどによって左からの出入りが難しい場合は右からでもOK)。これは、西洋の男性が昔、食事中にも帯剣していた時の名残のようです。
ウェイターが椅子を引いてくれる場合は、左側から席の正面に立ち、膝裏に椅子が軽く当たったタイミングで腰掛けます。
バッグ/手荷物:
小さなポシェットなどの場合は椅子の後ろに。少し大きいものであれば、椅子の左側の足元に置きます。足元に置いておくにも出入りの邪魔になりそうな大きな荷物であれば、クロークに預けておくのが基本です。どのような大きさであっても、背もたれに引っ掛けて吊り下げておくのは給仕の妨げになりますので避けましょう。
・基本のテーブルマナー:カトラリーの扱い方
西洋料理のフルコースをいただく場合、カトラリーがずらりとテーブルに並んでいてどれを使えばいいか混乱してしまうことがありますよね。基本的には出てくるメニューに従って、外側から順番に使用していけば大丈夫です。
ナイフを右手に、フォークを左手に持ち、腕全体というより、ひじから先を使って食事をいただきます。ナイフとフォークを持つときには握りこまず、人差し指は背に添え、親指も前を向くように持ちます。
カトラリーを持ったまま…:
カトラリーを手に持ったまま飲み物を飲んだり、ナプキンを使ったりするのはテーブルマナー的にNG行為となります。基本カトラリーを持つのは食事の時だけ。飲み物を飲むときや、ナプキンを使用する際は一旦カトラリーを置きましょう。
両手にナイフとフォークを持ったまま長々と会話を続けるのもよろしくありません。会話が盛り上がって、そちらに集中したいときには、ナイフとフォークをお皿の上に「ハ」の字に置きましょう。この時、ナイフの刃が外に向かないよう、自分に向けて置くようにします。
食べ終えたら:
料理を食べ終えたら、「お皿を下げてもいい」の合図として、ナイフとフォークを揃えてお皿の上に斜めに置きます。西洋のテーブルマナーと言っても国によって少しずつスタイルが異なり、フランス式は3時の位置に、イギリス式は6時の位置にそれぞれ揃えておくのがマナーです。
カトラリーを落としたら:
もしカトラリーを落としてしまったとしても、自分で拾ってはいけません。同席者に一言失礼を詫び、ウェイターを呼んで新しいものを持ってきてもらいましょう。
・基本のテーブルマナー:食事中のマナー
西洋料理をいただく際に気を付けるべき基本的なテーブルマナーを紹介します。
音について:
西洋のテーブルマナーは、音に対してかなりデリケートです。カトラリーと食器が「カチャカチャ」とぶつかって音を立てるのは粗雑な印象となり、マナー違反です。
同様に、スプーンからスープを飲むときや、食後に熱いコーヒーや紅茶をいただく際、「ズズズ…」と音を立ててしまっていませんか?またモノを噛むときに口を開けて「クチャクチャ」と聞こえてしまっていませんか?これらの音は西洋の方にとってかなり不快なものになりますので、フォーマルな場でなくとも普段から意識して静かに食べるようにしましょう。
食器の扱い:
日本と異なり、西洋のテーブルマナーではお皿や器を手に取って食べることはほとんどありません。スープ皿も、残りが少なくなったら端を少し持ち上げて斜めに傾けるのはOKですが、完全に持ち上げてしまわないようにしましょう。サーブされたら、基本的にはお皿をそこから移動させません。自分に引き寄せたり、反対に遠ざけたりするのは無作法となりますので注意しましょう。グラスも、手に取って飲み終わったら元あった場所に置きましょう。
切り分けについて:
食事の際は、一口ずつ適切な量を切り分けて口に運ぶのが基本。フォークに刺した食材を口に入れ切らず、かじってしまうのはマナー違反です。多すぎる量を口いっぱいに頬張るのも品良く見えませんので、心持ち小さめに切り分けるといいでしょう。
ステーキなどを最初に全部切り分けてしまうのは、肉汁が流れてしまったり、切り口から冷めやすくなるので良いマナーではありません。食材を切り分けるときは、左側から、一口分ずつ切って口に運びましょう。
お皿の交換や料理のシェア:
美味しいものは皆と共有したいものですが、フォーマルなレストランではお互いのお皿を取り替えたり、自分の料理を相手のお皿に取り分けたりするのはやめましょう。その代わり、とても美味しいことをお互いに言葉で伝えあえるといいですね。
・西洋のテーブルマナー:ナプキンの扱い方
西洋のテーブルマナーでは、ナプキンの扱い方にもルールが存在します。基本的なマナーを見ていきましょう。
そもそもナプキンは、口元や手元の汚れを拭くために用意されているものです。紙製のものの場合と、布製のものの場合がありますが、どちらであっても扱い方に大きな差はありません。基本的には膝の上に置いて使用します。
手に取るタイミング:
テーブルにセットしてあるナプキンは、飲み物か最初のお料理が運ばれてくるタイミングで手に取り、二つ折りの状態で膝の上に置くのが基本です。席について早々にナプキンを手に取るのは、料理を催促しているように見えるので避けましょう。
使用する際には:
口元や指先がソースなどで汚れてしまったら、二つ折りに置いてあるナプキンの内側でそっと拭いて、また膝の上に戻しましょう。使った後、ナプキンの汚れた部分が内側にまた折り込まれるため、汚れが他の人から見えにくいだけでなく、自分の洋服を汚す心配もありません。
席を立つ際に置く場所は:
基本、食事中に席を立つことはあまり良いマナーではありませんが、やむを得ず中座する場合は、ナプキンを軽くたたみ、椅子の上に置いておきましょう。背もたれに掛けておいても問題ありません。
食事を終えて帰る際には、ざっくりとたたんだ状態でテーブルの上に置きましょう。雑にたたむことで、「綺麗に整えることを忘れるくらい美味しい食事だった」というメッセージになります。面白いですよね。
ここまで、テーブルマナーの基本を項目ごとに分けてご紹介しました。色々あって混乱してしまう!という人も居るかもしれませんね。
もし細かいマナーを忘れてしまっても大丈夫。皆さんが笑顔で美味しくお料理を頂き、同席した人達との大切な時間を心から楽しめたら、それが一番です。
そもそもテーブルマナーとは、その場に同席する全員が不快な思いをすることなく、気持ちよく食事の時間を楽しむために生まれた基本ルールです。どんなにマナーが完璧でも、お料理に対して文句ばかり言う人や、不機嫌そうな人とは一緒に食事をしても楽しくないですよね。
とは言え、やはり食べる姿が美しい方が自分も嬉しいと思いますので、基本部分だけは軽くおさらいしてから食事の場に向かうようにしましょう!
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