皆さんは、「オノマトペ」という言葉を知っていますか?
オノマトペとは、「ガチャガチャ」「サラサラ」「イライラ」「シトシト」など、音や様子、状態をそれらしい音で表す表現のことです。日本語は世界の中でもオノマトペの単語数が非常に多く、オノマトペによって表せる表現が豊かな言語だと言われています。
この記事では、皆さんにとって馴染みの深いオノマトペを、英語でどう表現すればいいのか、いくつかのジャンルに分けてシリーズでご紹介していきます。
今回は、動物や人が実際に出す音を表現しているオノマトペについてまとめてみました!
<もくじ>
・動物の鳴き声を表すオノマトペ
・人の笑い声を表すオノマトペ
・人の泣き声を表すオノマトペ
・人の話し声を表すオノマトペ
オノマトペには、実際に動物や人の出す音を言語的な音で表す擬音語(擬声語)と、音ではなく、物事の様子や状態を音に例えて表す擬態語が含まれます。
今回は、実際に動物や人が出す音に注目した、擬音語のオノマトペに注目してご紹介しますね。
・動物の鳴き声を表すオノマトペ
動物の鳴き声の表現は、分かりやすいオノマトペの代表格ですね。小学校などでも動物の名前と一緒に教えられたりしますので、皆さんも聞いたことがあるオノマトペ表現が沢山あるかと思います!
早速、一覧を比較しながら見てみましょう。
犬や猫など、私たち人間の生活に近しい動物の鳴き声は、その様子をより細かく伝える為に沢山のオノマトペが作られているのが面白いですね。
英語のオノマトペは、音そのものを表す名詞でもあり、同時に「そのような音を出している」という意味の動詞にもなることが多いです。なのでオノマトペの単語事態を過去形にしたり、ing形にしたりして「the puppy is yelping(子犬がキャンキャン鳴いている)」「the cat hissed at me(猫がシャーっと私を威嚇した)」のように言うことができるんですね。
また、SNSの「Twitter」で「ツイートする」というのも、小鳥がさえずるオノマトペから来ているんですね。勿論動詞として使えるので、「he tweeted about you(彼があなたについてツイートしたよ)」のような表現になります。
・人の笑い声を表すオノマトペ
動物の鳴き声の次は、人間が出す音を表現しているオノマトペを紹介しましょう。
人間が口から明確な言葉以外の音を出す場面は色々ありますが、その中でも笑い声は色んな種類がありますね。言語としては意味を成さないのに、人の感情をダイレクトに伝える重要な音になります。その様子を日本語と英語のオノマトペがどのように表現しているのか、比較してみてみましょう。
日本語では「クスクス」という同じ忍び笑いでも、英語のオノマトペに言い換えると少しイメージが変わります。例えばsnickerはどちらかと言うと相手をバカにするような笑い、giggleやchuckleの方が面白味を感じてつい「クスクス」笑い声が漏れてしまうような笑いを表しています。
また、同じ大笑いを表すオノマトペでも、cackleはどちらかと言うと甲高い笑い声、guffawはおなかを抱えて大笑いをするというイメージになります。
tee-heeは、小さな子どもが「エヘヘ」と可愛く笑うようなイメージですね。
「Aさんが、Bさんの話を聞いて笑っていましたよ」と伝える場合、それがどんな笑いの種類か(giggleなのか、guffawなのか、それともsnickerなのか…?)によってAさんのBさんに対する印象が全く違ってきますので、オノマトペの表現には注意しましょう!
・人の泣き声を表すオノマトペ
笑い声と並んで、人間の感情を強く表現しているのが泣き声を表すオノマトペです。下の表を見ながら比較してみましょう。
bawlとwailは同じように大きな声を出して泣く様子を表していますが、bawlは赤ちゃんや子どもが声を上げて大泣きしている様子を、wailは大人が泣き叫ぶ様子を表現するオノマトペになっています。
また同じ大泣きでもsobというオノマトペを使うと、「ヒックヒック」としゃくりあげ、息を詰まらせながらむせび泣くようなイメージになります。
どうも、日本語の「オギャー」にピッタリ相当する英語のオノマトペはなさそうです。あえて言えばmewlがそれにあたるかと思いますが、「オギャー」に比べて弱々しく、力のない泣き声を表しています。
「シクシク」と静かに泣く様子を表すオノマトペとしては、whimperやweepがあります。bawlとwailのように、この2つのオノマトペも泣いている人が大人か子どもかで使い分けます。whimperが子どもで、weepが大人のイメージを持つオノマトペですね。
sniffは、「クンクン」と匂いをかぐ様子を表すと共に、「グズグズ」と鼻をすすり上げて泣く様子を表現するオノマトペです。
英語では、「彼女がワンワン/シクシクと泣いている」という一文だけでも、使われるオノマトペによって、彼女が幼い子どもなのか、大人の女性なのか、イメージが浮かんでくるのが興味深いですね。
・人の話し声を表すオノマトペ
人が話をするときはもちろん言語を用いますが、その内容ではなく、話している様子自体に注目すると、ただの音としてオノマトペで表すことが出来ます。
街中や賑やかな店内など、複数人が「ザワザワ」と賑やかに過ごしている様子をhumやbuzzというオノマトペで表現します。humもbuzzも、元々虫の羽音や低い機械音、ブザーの鳴る音など、日本語で言うところの「ブーン」や「ブブー」に当たるオノマトペですが、人の声が集まって雑音として届く様子に対しても使用するのですね。
humは、鼻歌を歌う「humming(ハミング)」と同じ動詞です。buzzは、SNSなどで話題になる様子を表す「バズる」という表現の語源ですね。
日本でいう「ガミガミ」は、nagやgrowl、snapなどのオノマトペを使います。その中でも、nagはしつこく小言を言うようなイメージ、growlは動物の鳴き声のオノマトペにも出てきましたが大声で怒鳴るようなイメージ、そしてsnapは、素早く噛みつくような様子を表すオノマトペなので、鋭い口調で強くものを言うイメージになります。
小声で話す様子を表すオノマトペには、whisperやmumbleがあります。同じ小声でも、whisperはささやくような、「ヒソヒソ」と内緒話をする様子を表します。mumbleは「ボソボソ」と口の中に音がこもって聞き取りにくい様子を表しています。
日本語の「ブウブウ」や、英語のhum、growlなど、動物の鳴き声と人の話し声で共通したオノマトペを使っているのも面白いですね!
いかがでしたか?
今回は、動物や人が実際に出す音を表現したオノマトペに注目してご紹介してみました。オノマトペから、更に言語に対する興味を持ち、理解を深めていけると楽しいですね!
引き続き色んなオノマトペをジャンル別にご紹介してきますので、楽しみにしていてくださいね♪
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