明けましておめでとうございます!
ロンドンから定期的にイギリスのEU離脱について記事を更新している杉 浩毅です。
最近、日本にいる母からもイギリスのEU離脱について聞かれるようになりました。
いよいよ、日本でも報道が本格的になって来たのかな、と感じています。
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2019年に入り、イギリスのEU離脱まで4ヶ月を切りました。
今回の記事では、こんなことを見ていきます。
- ブレクジットとは
- 585ページの提案書
- 1月の国内投票
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ブレクジットとは
最近の具体的なニュースに入る前に、簡単におさらいをしましょう。
まずブレクジットとはイギリスのEU離脱全体を表す言葉として使われています。
このブレクジットはいつ起きるのか: 2019年の3月29日午後11時(イギリス時間)に起こります。
これは、2016年にあった選挙で決定しました。
2016年の選挙以降、政府はイギリスがEUを抜けることを前提に動いています。
そして上記の日程まで4ヶ月を迫った今、決定されていてから議論されて来た「イギリスがEUをどのように抜けるのか」を巡って、大きな動きが起こっています。
これまでの関連記事:
1. Brexitって何?
2. Brexitはいつ起きる?
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585ページの提案書(585 withdrawal)
「イギリスはEUからどう抜けるか」
前述の通り2016年の選挙以降、イギリス国内ではこのことについて盛んに話されてきました。
2019年3月という施行日が迫る中発表した、EU離脱の全ての内容を詰め込んだ提案書が、585 withdwaralです。
イギリスの提案するEU離脱の全てが詰め込まれているこの提案書、この中でも特に下記の3つが注目を集めました。
- イギリスがEU離脱の為に連合へ支払う金額
- イギリスに住むEUの国民と、EUに住むイギリス国民のこれから
- アイルランドにある国境
現在、この提案書の内容は既にイギリス以外のヨーロッパ27カ国から合意を得ています。
そして場面は次の段階 – イギリス国内の政府から合意を得ることになっています。
これまでの関連記事:
8. アイルランドとBrexit
10. UKとEUが合意した3つのポイント
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1月の国内投票
さぁ、前章の提案書がEU各国から合意を得たことにより、今度はイギリス国内で投票が行われます。
この投票が行われるのは、1月15日の火曜日。
可決すれば、585ページの提案書の内容がEU離脱の内容となり、正式に法律に組み込まれます。
3月29日にイギリスはEUから離脱し、提案内容の実現に向かいます。
しかし3月29日に全てを変えては確実に多くの混乱を招くため、2020年末まで、約1年9ヶ月は移行期間が準備されています。
可決しない場合、いくつかの可能性が出てきます。
その中の一つは、No deal (合意なし)での離脱。
例え提案書の合意がなくても、3月29日のEU離脱は強行される可能性が高いです。
最悪の場合、上記の移行期間が無くなり、3月29日一日で、全てのルールが変更になる可能性すらもあります。
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今回の記事は下記の記事を参考にしました。
Brexit: Your simple guide to the UK leaving the EU [BBC]
Brexit: Date for vote on Theresa May’s deal confirmed [BBC]
Brexit vote: The ultimate guide [Sky news]
イギリスのEU離脱まで4ヶ月を切りました。
未だ、離脱の完全な内容は決定されていません。
イギリスは提案書をきちんと合意し、円満にEUから離脱できるのか。
若しくは、合意なしの強行離脱を強いられるのか。
かなり低いですが、施行日の延長、離脱の取りやめすらも可能性としては残されています。
イギリス、ヨーロッパの歴史の中でも重要な出来事: まずは来週火曜日の選挙で、その方向がまた大きく動くことになります。
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ロンドンから毎週末にポッドキャストを配信しています。
先週末のゲストは、現在ワーキングホリデーで日本食品の営業をしている友人に話しを聞きました。
会話の中ではブレクジットでの貿易の変化が強く影響する彼の仕事についても聞いています。
他にも英語の話やロンドンの生活についても多く聞いているので、ワーキングホリデーを考えている人は是非聞いてみてください。
それでは2019年も健康に、お互い精進しましょう。
( 文 : 杉 浩毅 )
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