Brexit: イギリスのEU離脱について –
今イギリスで何が起きているのか、これから何が起きるのか、ゼロから一緒に見ていきましょう。
4. 「Brexitを巡るキーワード1 – シングルマーケット」
最初の数回は、イギリスのBBCで連載されている記事 “All you need to know about the UK leaving the EU: イギリスのEU離脱について知る必要のあること全て” からピックアップして見ていきます。
Brexit: All you need to know about the UK leaving the EU [BBC]
前回の記事: 「EUってなに?イギリスは何故EUから抜け出したいの?」で、EUが加盟国を一つの国のように自由に行き来できることをテーマに始まったことと、EUからイギリスが離脱したい理由が見えてきました。
今回は、このBrexitの記事を追っていると必ず目にする、シングルマーケットというキーワードを見ていきます。
今日の記事は下の3つを参考にしています。
What is the single market?
What do ‘soft’ and ‘hard’ Brexit mean?
What’s the difference between the single market and the customs union?
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「EUを語る上で重要な”Single Market”」
Brexitでイギリスの貿易がどう変わるのか – それを語る上で出てくるのが、この“シングルマーケット”という概念です。
シングルマーケットを説明する上で、前回引用したものと同様の文章が出て来ます。
– allows the free movement of goods, services money and people within the European Union, as if it was a single country
まるで一つの国のように物品やお金、人がヨーロッパ連合の中を自由に行き来できる
モノの流れで例を取ると、EUの外からEUの中にモノが入る際、EUの中ならどこの場所でも同等のルールの審査を受けることとなります。
EUの外からこの審査をパスしてモノが入ってくることによって、一度EUに入った後は厳しい審査も無く、EU内を自由に移動することができます。
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このルールにはいくつかのポジティブな期待の元に作られました。
・誰でも、EU内どこからでも自由にビジネスを始められる
・貿易を盛んにする
・仕事を生む
・商品の価格を下げる
EU内どこにいても平等にチャンスを持てるようにと、シングルマーケットは作られました。
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「イギリスのシングルマーケットに対しての不満」
上記のように、EU内での自由な行き来を実現するためには、EU全体でルールを統一する必要があります。
今回、EU離脱を求める人の中には「EUのルールに付き合っていられない」、「イギリスだけでルールを作り、その中でビジネスをしたい」というものがあると考えられています。
また、前回取り上げたEUに対してイギリスが出資していることへの不満や、EU内の貧困国から裕福な国に移動してくる多くの移民への疑問を抱く人も増え、今回Brexitへの支持が過半数を超えたと考えられています。
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今回の記事で、シングルマーケットという言葉のイメージが分かってきました。
このシングルマーケットを踏まえた上で来週は、ブレクジットにおけるソフトとハードというキーワードに触れていきます。
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https://audioboom.com/posts/6958498-mamoru-1-2
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