Brexit: イギリスのEU離脱について –
今イギリスで何が起きているのか、これから何が起きるのか、ゼロから一緒に見ていきましょう。
3. 「EUってなに?イギリスは何故EUから抜け出したいの?」
最初の数回は、イギリスのBBCで連載されている記事 “All you need to know about the UK leaving the EU: イギリスのEU離脱について知る必要のあること全て” からピックアップして見ていきます。
Brexit: All you need to know about the UK leaving the EU [BBC]
前回の記事: 「Brexitはいつ起きる?」で、来年3月にBrexitが実行されることと、そこから約二年の移行期間が適用されることが分かりました。
今回は「そもそもEUがなんなのか、なんでイギリスはEUから抜けたいのか」ということについて触れていきます。
今日の記事は、上記の記事の中で引用されている記事: What is the EU and how does it work?からも見ていきます。
What is the EU and how does it work? [BBC]
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「EUは戦争の反省から生まれた」
終戦の5年後、フランスとドイツは、お互いがもう二度と対立しないよう、経済面 / 政治面で同じゴールに向かってともに手を取り合おうとEU連合を組みました。
EUは第二次世界大戦の後に「二度と同じ過ちを犯さないように」という思いの元に生まれ、今ではヨーロッパの28カ国、5億人以上の人がEUのメンバーに加盟しています。
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「テーマはみんなが一つの国の中にいるように」
記事の中にある文章を引用します。
“- allowing goods and people move around, basically as if the member states were one country”
「物や人が一つの国の中にいるかのように行き来できるよう」
これがEUの主となるテーマです。
例えば、EUに加盟しているフランスの人は、ビザを取得する必要なくイギリスに住んで働くことができます。
もちろんその逆も – イギリス人がフランスに来て自由に働くことができます。
日本で言うと地方出身の人が東京に来て仕事ができるように、もしくはその逆に都会出身の人も日本の田舎で生活できるように、同じ国の中にいるように、EUの中を自由に行き来することができます。
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「資金は1,450億ユーロ」
2015年のEUの資金は1,450億ユーロでした。
今日の為替で計算すると、1ユーロ=約130円なので約19兆円になります。
内訳はドイツがトップで21.36%、二位のフランスが15.72%、イギリスは三位、12.57%を献金しています。
この資金の使い道は先述の物品の移動をスムースにすることに始まり、差別をなくすことへの働きや環境問題への取り組み、人権や教育などに使われています。
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「イギリスはなぜEUから抜けたいのか」
EU離脱を求めるイギリスの人たちの主な考えとして、イギリスがEUに力を取られすぎているというものがあります。
また、EUに加盟しているがためにイギリスは多くのお金をEUに出資し、その見返りが見合っていないということも大きな理由の一つです。
お金ばかり掛かるEUから抜け出し、自分たちで自国をコントロールする権利を取り戻したい。
そして2016年に起きた投票の結果、イギリスのEU離脱が可決、来年3月にイギリスはEUを離脱する運びとなりました。
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今回の記事で、イギリスがEUから抜け出したい理由が分かって来ました。
来週は、Brexitを巡るあるキーワードに触れていきたいと思います。
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2月からロンドンで作り始めたビデオがようやくできました。
dusk – “夕暮れから陽が落ちるまでの数時間”をテーマに一つの曲にしています。
( 文 : 杉 浩毅 )
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