こんにちは!
Hirokiです。
ロンドンから定期的にBrexitと、イギリスでの生活について更新しています。
2ヶ月ぶりの今日の更新では、現在のイギリスの状況と、夏のイギリスでの生活について書いていきます。
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Brexit(イギリスのEU離脱)について
今回の記事は主にこのBBCの記事を参考にしています。
Brexit: What happens now?[BBC]
2ヶ月前に更新した前回の記事のすぐ後に、大きな出来事がありました。
それはTheresa May首相のresign(辞任)です。
「歴代二人目の女性首相として活動していたことを誇りに思う」
ビデオの中でTheresa May首相は涙をこらえながらスピーチしています。
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Theresa May首相の辞任により、イギリスは今月の下旬に新しい首相を迎えることになります。
現在のBrexit(イギリスのEU離脱)のデットラインは変わらず10月31日。
それらを踏まえた、これからのBrexitの可能性がこの図にコンパクトに説明されています!
その中の主な可能性6つを一つ一つ見ていきましょう。
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1. No deal / 合意なき離脱
今回イギリスがEUを離脱する上で大きなトピックが「合意を得られるのか否か」というところです。
合意があれば、イギリスとEUはこれからも友好的な関係が築けますが、合意がない場合、実施日当日に突然、イギリスはEUの一国でなくなる可能性もあります。
その場合、今イギリスに住んでいるヨーロッパの人たちの人権は?アイルランドとの国境は?
現在イギリスがEUを離脱する予定日は上にも書いた10月31日です。
あと3ヶ月半の間にイギリス国内とEU連合双方と可決できない場合、合意の無い状態で強制離脱となってしまいます。
※離脱の際に懸念されるヨーロッパの人たちの人権やアイルランドの国境については今までの記事に書いています。
下記のリンク先の記事を参照ください。
dig yourself in London – ゼロから一緒に知るBrexit
2. Renegotiation / 再交渉
Theresa Mayに代わる新しい首相は新しい離脱内容を交渉することができます。
交渉が認められるためには、イギリス国内とEU連合両方と合意を得る必要があります。
本来イギリスのEU離脱は3月29日を予定しました。
しかし現在10月31日にその実施日が伸びているのは、Theresa May首相がイギリス国内との合意を得られなかったためです。
新しい首相が再度交渉をし、それがUK/EU双方と合意を得られれば円滑な離脱が進められるのですが – なんせ時間がありません。
イギリスの議会は8月中に国を離れ9月まで戻ってこず、9月中旬に再度外に出てしまいます。
10月末のデッドラインまで話し合いの時間がほとんど取れず、この中でEU/UK双方から合意を得るのはかなり難しいと予想されます。
3. Another referendum / 再投票
今回のイギリスEU離脱については2016年に投票が行われました。
「これと同様の投票を国内でもう一度設けよう」という考えです。
この投票の結果に強制力はありませんが、それでも、結果によってはこれからの国の方向性を変える可能性が大きくあります。
しかし、もう一度国民投票が行われるには大きな時間を要します。
ロンドン大学の有識者の見解では「もう一度投票を行うには22週間の時間が必要だろう」とのこと。
10月31日から22週間を逆算すると4月の上旬 – 7月中旬に入ろうとしている現在からでは、これを現実にする望みは薄いかもしれません。
4. Cancel Brexit / Brexitの撤廃
EU連合の法律を統括するEuropean Court of Justiceは、「EUの27カ国の了承なしにイギリスが単独でEU離脱をキャンセルできる」と認めています。
イギリス与党のリーダーでこれを提案している人はいなく、他の案を試した後の隠し刀だとは思いますが – 可能性として、全てを白紙にする手段も残されています。
5. Return of the existing deal / Theresa May首相の案に落ち着く
上に書いた通り3月29日にイギリスのEU離脱が成立しなかったのは、Theresa May首相のプランが合意を得られなかったからです。
しかし、これから他の案を試した結果、結局「これで落ち着くしかないか」と再度このプランが見直される可能性があります。
6. Further delay / 再延期
元々3月に離脱が決まっていたのが現在10月に延びているように –
ここから再延期という可能性もなくはありません。
しかしその場合、EU離脱から延期の合意を得る必要性が高くなってきます。
きちんとした理由のない限り、そう簡単に何度も「延期延期」と簡単に片付けるわけにはいきません。
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これらが、現時点で考えられているこれからの主なイギリスの選択肢です。
このままだと合意なしでの強制離脱の可能性が高そうですが、実際にどうなるかはまだ分かりません。
いつまでも目が離せません – と言いたいところですが、夏が始まってフェスだらけのロンドンではイギリスの人たちもBrexitのことを一時忘れているように見えます。
また近くなったら騒ぎ立ててくるのでしょうが –
僕も嵐の前の静けさと共に、イギリスの短い夏を謳歌しない手はありません。
残念ながら僕がイギリスにいる間にBrexitがまとまることはなさそうですが、あと1回か2回、更新できたらと思っています。
ここからはロンドンでの生活です。
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僕はビザの残りがあと2ヶ月ほどなのですが、その中で色々大きな変化がありました。
一番大きな出来事としては、イギリスで会社を立ち上げました。
今、イギリスに僕の名前の会社があります。yay!
会社の活動では僕のコーヒーを売る予定です。
Instagramのページを作ったので、これからすぐロンドンに来られる方は是非。
また、新しくバンドを組みました。
8月上旬にロンドンのベニューで公演します。
興味がある方は是非、記事の最後にあるメールアドレスからメールください。
直近の出来事では昨日、Sigur rosの演奏をHyde Parkで鑑賞しました。
3年前に観た東京国際フォーラムよりも近く、圧巻の体験でした。
夏を謳歌している証拠の一つです。
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また、ロンドンから日本人との会話を配信するPodcast(インターネットラジオのようなもの)を配信しています。
最近のゲストには、ロンドンで社会人留学でロンドン大学でマスター(修士課程)を学んでいる大学生や、メルボルン、ウェリントン、トロント、ロンドンとバリスタで活動してきた友人に話を聞いています。
この画像、若しくは下のプラットフォームを選択してPodcastのページから聞いてください。
また、そのゲストの一人のRyoくんが、パートナーとイギリスの情報を発信するYouTubeチャンネルを新しく始めました。
是非ビデオを見てフォローしてください。
最後に、今週の日曜日にワーキングホリデー協会大阪会場で日本時間17時からスカイプでロンドンよりセミナーをします。
おそらく最後に機会になると思うので、興味のある方は是非聞いてください。
他の都市からも中継で見られるはずなので、是非スタッフの方に問い合わせてください。
ロンドンも涼しいそうですが日本も今年の夏は涼しいようですね。
夏風邪をこじらせぬようご自愛ください。
それではまた、お会いできることを楽しみにしています。
( 文 : 杉 浩毅 )
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