ゆっくり湯船につかって一日の疲れを癒す。多くの方にとってお風呂は至福の時間なのではないでしょうか。
日本では湯船につかることが常識化しているので、どうやってお風呂につかる時間を楽しくするか、様々なアイディアグッズも開発されています。最近だと、お風呂で読書ができるバルーン型のブックカバーや、血行を良くするマッサージグッズなんかをテレビやお店で見ますよね。
日本人とお風呂は、切っても切れない関係にあると言っていいと思います。
しかし、海外ではお風呂でリラックス文化が、全くと言っていいほど浸透していません。
バスルームには浴槽がありますが、基本的にはシャワーのみ使用し、お湯を張るのは多くても月1回程度でしょう。また、お風呂はあくまで体の汚れを落とす場所なので、長風呂をする人も多くありません。なぜ日本と海外でここまで大きな違いがあるのか。その理由は大きく分けて2つあります!
1)「水の重要度」の違い
日本と海外とで大きく価値観が異なるのが、「水」です。日本は水資源が非常に豊かな国なので、水道水はもちろんお風呂や洗濯など、あらゆる場面できれいな水をそこまで気にせずに使用することができます。夏場になると水不足が懸念されたりしますが、それでも十分な水が各家庭に行きわたる日本の現状は、世界的に見てもすごいことなんです!
一方で海外の国々では、水資源が日本ほど豊富ではありません。そのため、「水は一滴無駄にできない」という考えが染みついているんですね。(その割にはプールなどもたくさんありますが…w)
そのような考え方があるため、お風呂に水を張るのはもちろん、シャワーでも15分以上浴びることは絶対に禁止!という家庭が多いです。お風呂以外でも汚れた食器をある程度貯めてから洗うようにしたり、洗濯物も週に1回まとめて回したりと、日本では考えられないようなことが常識になっているんです。
2)体質と清潔感の違い
2つ目は日本人との体質の違い。西洋人や北米人は体臭が強いので、1日1回しっかりお風呂につかるのではなく、シャワーをこまめに浴びることでにおいや汚れを洗い流す傾向にあります。
また、海外ではお風呂はあくまで「汚れを落とす場所」であり、リラクゼーションとは切り離して考えられます。海外にも温泉はあり、いい感じの家庭であれば家の中にホット・ジャグジーなんかもあります。海外でもお湯につかること自体はリラクゼーションとして広く認識されていますが、それでも「それはそれ、お風呂はお風呂」で完全に切り離して考えられているんです。おもしろいですね。
3)湯沸かし器の違い
いつでも蛇口からお湯が出てくることを、不思議に思ったことはありませんか?日本では多くの家庭で「瞬間湯沸かし器」が設置されています。これは、血管のように張り巡らした細い銅管をガスで温め、それで水を温めてお湯を沸かすシステムです。水道水を瞬間的に温めることができるので、特に上限なくお湯を使うことができます。
しかし、海外の家庭では沸かしたお湯を一度貯めて、そこから使っていくタイプの「貯蓄湯沸かし器」が主流です。一度に貯められるお湯の量に上限があるので、シャワーをしたり浴槽にお湯を張ったりすると、すぐにお湯がなくなってしまうんです。一度お湯がなくなると再加熱に時間がかかるので、家族みんなでシェアしないと使いたいときにお湯が使えなくなってしまうわけですね。
タンクの大きさは各家庭で異なりますが、日本とはそもそもお湯の大切さが違うことを覚えておいてください!
このように日本と海外とではお風呂に対するイメージが大きく異なるわけですが、もしあなたが海外で生活するのであればその違いを受け入れることがとても大切になります。この違いを理解していないがために、ホームステイ中に水が絡んだトラブルが頻繁に起きています。
日本と同じ感覚でシャワーを長時間浴びたり、数日おきに洗濯機を回したりすると、烈火のごとく怒られます。日本人としては「こんな些細なことで」と思うかもしれませんが、海外の人たちにとっては非常識な行為以外の何物でもないんですね。
「When in Rome, do as the Romans do.」(郷に入っては郷に従え)
海外と日本の文化の違いは、しっかり把握しておくようにしましょうね。