先日、オーストラリアの所得税率に関してこのようなニュースが発表されました。
ワーキングホリデーに課税=日本の若者も悲鳴―豪
時事通信 5月10日(火)16時30分配信
【シドニー時事】オーストラリア政府は7月から、ワーキングホリデー(ワーホリ)査証で就労する外国人の若者に対する所得税率を、0%から一気に32.5%に引き上げる。
手取り収入の激減は避けられず、ワーホリで滞在中の日本人からも「暮らしていけない」と悲鳴が上がっている。
従来は豪国民と同様、年収1万8200豪ドル(約145万円)以下なら非課税。政府は財政再建策の一環で、ワーホリの若者らを対象に、中所得者並みの所得税率を課すことを決めた。
ワーホリは、国・地域間の取り決めにより、相手国の若者が一時的に働きながら滞在することを認める制度。英語圏で治安が比較的良い豪州は、渡航先として人気が高い。ただ物価高の豪州で、ワーホリの賃金は低め。増税により、豪州を敬遠するムードが広がる可能性がある。
このニュースを受けて、「オーストラリアで生活できない!」「ワーホリに行けない!」「国を変えないと…」といった声もちらほら出ているようです。
この所得税率は、オーストラリアで生活するにあたって、どの様な影響があるのでしょうか。
■ そもそも所得税って何?
所 得税とは、個人の所得に対してかかる税金のことです。所得とは「収入から経費などを差し引いた金額」で、個人が一円でもお金を稼ぐとその一部に対して税金 がかかります。たとえオーストラリア国籍がなくても、オーストラリアで働くならオーストラリアに対して税金を納めなければいけないんです。
■ 所得税が32.5%だと、なにがどうなるの?
オーストラリアの所得税が32.5%になったということを一言で解説すると、オーストラリアで働いて1ドル稼ぐと32.5セントの税金がかかると いうことです。つまり、月のお給料が1000ドルの収入だったとすると、その内325ドルが税金として差し引かれ、675ドルが手取りとして入ってくる計 算になります。時給計算だと、オーストラリアは最低時給が17.29ドルなので、手取りが11.67ドルで税金が5.62ドルとなります。
ここまで読むと、「 なんでこんなに税金がかかるの!?」「いきなり上げすぎ!」と思われたかもしれませんが… 実際のところ、0%から32.5%にいきなり引き上げられたわけでは無いんです!!
■ 元々所得税は発生していた!?
上記でも書いたように、オーストラリアで働いてお金を稼ぐなら、必ず所得税は発生します。しかし、「オーストラリア居住者」と「オーストラリア非居住者」とで、税率が異なっているんです。
オーストラリア居住者は、所得が一定値を上回らない限り所得税がかかりません。一方で、オーストラリア非居住者は所得に関わらず32.5%の税金が元々かかっていたんです。ワーキングホリデー渡航者も基本的には非居住者なので、今までも32.5%の所得税を国に納めていました。
■ なぜ「0%から一気に32.5%に引きあがる」と紹介されたのか
それは、いままで条件を満たすことによってワーキングホリデーで渡航している人でもオーストラリア居住者として認められる場合があったのですが、今回の変更で「ワーキングホリデー渡航者は一律非居住者として扱う」という取り決めがなされたからなんです。
つまり、「0%が32.5%になった」のではなく、「0%だった人もいたけど、一律で32.5%になった」という認識が正しいです。
居住者と非居住者の違いについてはこちらで詳しく紹介しています。
■ 結局現地での生活はどう変わる?
結論から言うと、現地での生活や収入自体は今までと大きく変わらないと言われています。元々所得税は発生していたわけですし、それを差し引いてもオーストラリアの時給は非常に高いんですよ!
オーストラリアのリアルタイムな情報はここで聞こう!