「スマートシティ」と聞いて、皆さんはどんな街を想像しますか?
新型コロナウイルス感染拡大の煽りを受けて、世界中の都市がスマートシティ実現化に向けて動き出しています。
今回は、留学都市としても馴染みのある国を例に挙げながら、スマートシティについてご紹介したいと思います。
<目次>
・スマートシテイとは?
・今注目されている理由
・世界の取り組み
・まとめ
①スマートシティとは?
スマートシティとは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の先端技術を用いて、基礎インフラと生活インフラ・サービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら、人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を目的とした新しい都市のこと。まさに今、世界中で様々なプロジェクトが進んでいます。
新興国と先進国ではその状況・進め方も異なります。例えば経済成長が著しい中国などの新興国では、急激な都市の拡大に対応し、新しく都市を形成するという「次世代都市プロジェクト」がメインとなっています。
それに対し、日本や欧米のような先進国では、基礎インフラは整っているものの老朽化が課題となっているため、建物や設備の管理・更新をメインとした「再開発都市プロジェクト」が進められています。
②注目されている理由
なぜ今スマートシティが注目されているかというと、それは主に急激な都市への人口集中が理由です。
現在、世界人口の約50%が都市に移住していて、都市によるエネルギーの消費温室効果ガスの60%~70%を排出しているといわれており、都市部のエネルギー使用を調整することが急務となっているからなのです。
急激な都市への人口集中は、次のような問題の原因にもなっています。
・交通渋滞の増加・大気汚染
・犯罪の増加
・環境悪化
また、現在73億人の世界人口は、2050年に95億人になると予想され、エネルギー消費が爆発的に増えることが懸念されているからです。
③世界のスマートシティ例
そんなスマートシティのプロジェクトが進んでいる国の中から、留学先にも馴染みのある都市をご紹介します。
《ニューヨーク》※再開発都市プロジェクト
アメリカのニューヨークでは、老朽化して使用されることが少なくなった公衆電話をLinkと呼ばれる情報端末へと置き換え、同時に無料のWi-Fiを提供するホットスポットへ変える「LinkCity」というプロジェクトを行っています。
「Link」によって、市民や観光客がより気軽にネットワークを利用できる環境が整備されつつあります。
《トロント》
カナダのトロントでは、住民の行動データをはじめとするさまざまなデータを収集し、それらのデータをもとに住民や環境にとってよりよい暮らしをつくり上げていくことを目標とする「Sidewalk Toronto」というプロジェクトが推進されています。
※しかし、様々な場所でヒト・モノの動きをセンサで把握し、ビッグデータを活用した街づくりを目指すとしていますが、収集したデータの利活用やプライバシー問題などをめぐり議論が繰り広げられているそうです。
《マンチェスター》
イギリスのマンチェスターでは、医療・健康、輸送・交通、エネルギー・環境、文化・コミュニティの4領域に特化して都市の活性化を目指す「City Verve」というプロジェクトが進んでいます。
《デンマーク》
デンマークの首都コペンハーゲンでは、市が主体となって、データ活用による生活の質を向上させるための取り組みを進めています。
「CITS」というプロジェクトでは、交通渋滞の改善と二酸化炭素排出量の削減、市民の安全性向上を目指して高度道路交通システムの導入を進めています。Wi-Fi端末を通じて自動車や自転車の位置情報を収集し、気象情報などのデータと合わせて分析することで、渋滞状況との関連性を分析するというものです。
・まとめ
いかがでしたでしょうか?
聞きなれない言葉が多かったかもしれませんが、スマートシティのプロジェクトがあると知っているだけでも、今後世界各国のニュースで報道された際に関心を持てるはずです!
また、今回はご紹介しませんでしたが、日本の各地域でもスマートシティの取り組みは数多くございますので、気になる方は身近な地域から調べてみる事をおすすめします。
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