こんにちは。
ロンドンから定期的にBrexitについて記事を書いている杉 浩毅です。
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10月の18日と19日、ベルギーのブリュッセルでEUサミットが行われました。
このEUサミットは今回のイギリスのEU離脱に置いてとても重要なものになるはずでした。
何故なら、”10月のブリュッセルサミットでイギリスのEU離脱の内容が決まる”はずだったからです。
今回は実際にブリュッセルサミットを終えた今、来年3月に始まるイギリスのEU離脱がどのようにまとまっているか追っていきます。
今回の記事は下記の記事を参考にしています。
Brexit: Five things that happened at the EU Brussels summit[BBC]
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1. まだ合意に至っていない
早速サミットの結果を言ってしまえば、現段階でイギリスとEUは”EU離脱”の内容の合意に至っていません。
3月にイギリスがEUを離脱することだけは決まっていて、残された時間は5ヶ月。
時間はどんどん迫っています。
イギリス側もEU側も、それぞれの主張(ドラフト)は揃っており、重要な項目に対するそれぞれの主張も出揃っています –
しかし、未だに双方の合意には至れていない。
EU側は今回のサミットでイギリスのTheresa May首相の主張に対し、「何も新しいことが出揃っていない」と回答しています。
特に、アイルランドのボーダーをどうするかということに対して、まだ誰にも、何が起きるかを確実に言うことができない状況にあります。
※過去の関連記事: アイルランドとBrexit
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2. EU離脱の実施日が遅れる可能性も
本来合意をまとめるはずだった10月のサミット。
それを終えた現段階で合意が得られないことで出てくる可能性が、実施日の延期です。
この意見に対しては、EU側はもTheresa May首相も”good idea”と同じ意見が合います。
「それなら、伸ばせば良いじゃん」
「ていうかそもそもEU離脱なんてしなくて良いじゃん」
しかし、それを放っておかないのはBrexitを支持する人たちです。
そもそもBrexitは何故起きるのか・・・
ここに詳しく書いています。
※過去の関連記事: EUって何?イギリスは何故EUから抜け出したいの?
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3. Theresa May首相に不満の声
Brexitの交渉が難航する中、Theresa May首相に対する不満の声が増えています。
「May首相の交渉にはまとまりがない」、「ずれている」ひという人も。
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4. もしもの為の11月のEUサミットは・・・
もともと10月に決定するはずだったEU離脱の内容 –
「もしも、これまでにまとまらなかった場合は、11月に特別なサミットを設ける」
という考えがありました。
しかし、EU側からは「もっと時間がいる」と言われています。
当初、「遅くても11月には決めないと」という声から、11月の特別サミットが実施されるはずでした。
しかし、このままでは11月中にも何も決められない。
現時点で確定している、次回のサミットは12月の13日と14日です。
※過去の関連記事: Brexitを巡るKey Dates
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5. Brexitに希望はあるのか
EU側は発表の中で「最終段階に近い」、「ポジティブ」という言葉を使います。
対し、Theresa May首相は”Tough”: タフという言葉を使います。
“Where there’s a will, there’s normally a way”
「希望がある限り道はある」
果たしてこの後、イギリスのEU離脱はどのように進んでいくのでしょうか。
これまでの記事はまとめてこちらで読むことができます。
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ロンドンでの生活
ロンドンではBFI: ロンドンフィルムフィスティバルが開催されました。
世界中から様々な映画が集まる中、僕は先月ポッドキャストに出てくれたろくでなし子さんが出演している「愛と法」という映画を見てきました。
ゲイの弁護士のカップルが扱っている裁判から、現在日本で問題になっていることを見ていく –
僕は後半ボロボロ泣いてしまいました。
この映画は日本で現在上映中、ロンドンでは来春から公開予定です。
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ポッドキャストを更新しました。
ロンドン芸術大学でマスターを修了した彼女に、ロンドンに二年住んで得た考えなどを聞いています。
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( 文 : 杉 浩毅 )
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・この連載の記事はこちらでまとめて読むことができます。
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